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プログラミング初心者でもわかるGo言語!メリット・活用例・学習の進め方

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Go(ゴー)言語は、Googleが開発したシンプルかつパワフルなプログラミング言語で、Web開発やインフラ構築、マイクロサービスなど、さまざまな現場で採用されています。

本記事では、Go言語の基本的な特徴から、ほかの言語との違い、得意・不得意な分野、学習の進め方まで、プログラミング未経験者でも理解できるよう丁寧に解説します。記事の最後では、実際の開発案件例や学習におすすめのスクール情報も紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。

Go言語とは?

Go言語の特徴を、プログラミング初心者向けに解説します。

シンプルで強力な言語設計と並行処理

Go言語(Golang)は、Googleによって2009年にリリースされたオープンソースのプログラミング言語です。設計のコンセプトは「シンプルで効率的なソフトウェア開発」。そのため、文法は比較的簡潔で覚えやすく、プログラミングの基本概念を理解した人にとって習得しやすい言語といえるでしょう。

特に、並行処理(concurrency)の機能が強力で、大量のタスクを同時に処理するような場面でGo言語は活躍します。

また、コンパイル作業が非常に速いのもGo言語の特徴です。コードを書いた後すぐに結果を確認できるため、開発効率が高まります。

豊富な標準ライブラリとツール群

Go言語は充実した標準ライブラリを搭載しており、外部ライブラリに頼らずに多くの機能を実装可能です。HTTP通信、JSON処理、暗号化機能、テスト環境など、実用的なアプリケーション開発に必要な機能がほとんどそろっています。

また、go fmt(コード整形)、go test(テスト実行)、go doc(ドキュメント生成)といったツールも提供されています。他の言語ではこういった機能を実現する際に、複数の外部ツールを組み合わせるのが一般的です。

主な活用分野

Goは、その特性から主に以下のような分野で利用されています:

  • Webバックエンド開発
  • APIサーバーやマイクロサービス
  • CLIツール(コマンドラインツール)
  • クラウドインフラやDevOpsツール

各分野での詳細な強みと弱みについては、次の「Go言語の特徴から見る向き・不向き」で解説します。

Go言語の特徴から見る向き・不向き

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Go言語の特徴から見る向き・不向きを見てみましょう。プログラミングを通じてかかわりたい仕事、つくってみたいものが決まっている人は、参考にしてください。

得意な分野(Web/分散/CLIなど)

Go言語は、高速なコンパイルと実行速度、メモリ効率のよさから、以下のようなシステム開発に向いています。

  • 高トラフィックなWebサーバー
  • 並列処理が多いバッチ処理
  • コンテナ技術(Dockerなど)との連携
  • インフラ自動化・DevOpsツールの開発

CLIツール(コマンドラインツール)の作成も得意分野のひとつで、構成ファイルやログの管理ツールなどにも使われています。サーバーサイドのプログラミングに興味があれば、Go言語は優れた選択肢となるでしょう。

不得意な分野(UI設計/IoT/ビッグデータ)と向いている言語

一方で、以下のような分野はGo言語が得意としない領域です。

分野Goが向いていない理由代わりに学ぶなら?
UI(ユーザーインターフェース)アプリ開発・GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)ツールが標準で用意されていない
・モバイル向けの開発に非対応
Swift(iOS)、Kotlin(Android)、Dart(Flutter)
IoTデバイス制御・リアルタイム制御に向いていない
・小型デバイスにGoの実行環境は重い
C言語、Rust、C++
機械学習/ビッグデータ・分析・学習向けライブラリが少ない
・大規模データの最適化が不十分
Python(NumPy, TensorFlow)、R、Scala
Webフロントエンド・JavaScript変換効率が悪い
・フレームワークやUI制御が未成熟
JavaScript/TypeScript(React, Vue.js)
ゲーム開発・ゲームエンジンとの相性が悪い
・動的生成やグラフィック処理に制限
C#(Unity)、C++(Unreal Engine)、Lua

何を開発するかによって適したプログラミングは変わります。上記の表を参考に、学習方針を検討しましょう。

Go言語とPythonやJavaなどとの比較ポイント

Goは「シンプルさ」と「効率性」を重視する設計であり、PythonやJavaと比べて次のような特徴があります。

比較項目GoPythonJava
学習のしやすさ
実行速度
並行処理の書きやすさ
エコシステムの成熟度

Pythonのような柔軟さやJavaのような大規模アーキテクチャには劣る部分もありますが、Goはその中間に位置し、実用性とシンプルさのバランスが優れています。

Go言語を学ぶ理由と将来性

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Go言語を学ぶ理由と将来性について、言語特有の優位性と将来性について解説します。

高速・安全・効率的な処理とその優位性

Go言語は高速な処理を可能にしながらも、自動メモリ管理機能によって安全なプログラミングが可能。C言語のような低レベル言語と、Pythonのような高レベル言語のいいところ取りをしています。

成長する市場ニーズとキャリア展望

2020年代以降、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、Go言語を使いこなせるエンジニアの需要が急増しています。以下のようなポジションでGo言語が採用されています。

  • サーバーサイドエンジニア
  • インフラ・SRE(Site Reliability Engineer)
  • DevOpsエンジニア
  • セキュリティエンジニア

転職市場でも「Go言語経験者歓迎」の求人は増加傾向にあり、今後も安定したキャリアが期待できます。

Go言語の始め方とインストール

Goの公式サイトからインストーラーをダウンロードすれば、すぐに使い始められます。Go言語は、Windows、Mac、Linuxといった、主要なOSすべてに対応しています。

インストール後は、コマンドプロンプトやターミナルで「go version」と入力して、正しくインストールできたか確認してみましょう。

Go言語の学習方法

Go言語の大きな特徴として、学習曲線が緩やかである点があげられます。文法がシンプルで、覚えるべき概念が少ないため、プログラミング経験者であれば1〜2か月程度の学習で基本的なアプリケーションを作れるようになります。プログラミング初心者の場合は、目安として3〜6か月程度の集中学習で、実務レベルの基礎力を身につけられるでしょう。

主な学習方法

Go言語を学ぶための手段は、独学・プログラミングスクールの2つに分けられます。独学の手段は充実しています。独学の場合、書籍や学習サイトが役立ちます。

書籍の例は以下のとおり。

  • 改訂2版 みんなのGo言語:多くのプログラマーに支持されてきたロングセラー。初心者から中級者までおすすめ
  • 実用 Go言語 ―システム開発の現場で知っておきたいアドバイス:基本文法だけではなく、アプリ開発で役立つ実情に即した方法まで解説

以下のように、オンライン学習サイトも非常に充実しています。

  • ドットインストール
  • Udemy
  • Progate

また、Goの公式サイトには、英語にはなりますが質の高いチュートリアルやドキュメントが整備されています。英語に抵抗がなければ、一次情報として非常に信頼できるリソースです。

挫折しないためのコツ

独学では「何を作ればいいかわからない」「途中でモチベーションが続かない」といった壁にぶつかりがちです。そんなときは、まず簡単なCLIツールなど、手軽に動かせるアプリを作ってみるのがおすすめです。実用性があり、動くものが目に見えることで学習が楽しくなります。

とはいえ、独学では「わからないところをそのままにしてしまう」「学習のペースがつかめない」といった不安もつきものです。途中で挫折してしまいそう…という方は、プログラミングスクールの利用も選択肢のひとつ。

講師のサポートやカリキュラムがあることで、効率よく学べるだけでなく、実務で通用するスキルを着実に身につけることができます。

おすすめのプログラミングスクール25選の料金を比較!口コミや評判・選定ポイントも

Go言語の開発案件例

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Go言語の習得後に案件を獲得したいと思った際に、クラウドソーシングを使おうと検討する人も多いと考えられます。

以下に大手クラウドソーシングのクラウドワークスに掲載中の案件を、一部紹介します。

引用元:クラウドワークス

求人サービスの機能追加開発、保守運用について、Go言語のエンジニアを募集しています。契約金額は月あたり55万円からのスタートとのこと。

引用元:クラウドワークス

NFTサービスのバックエンド(テックリード候補)の募集です。Go言語のスキルに長けているだけではなく、インフラからアプリケーションまでを一通り設計・構築・連携できる即戦力エンジニアを対象にしています。契約金額は、月あたり40万~75万円を想定しているとのこと。

なお、同じGo言語の案件でも、フリーランスエージェントを活用すれば月70万〜100万円レベルの案件も珍しくありません。特に、幅広いスキルを持つ即戦力エンジニアであれば、より高単価かつ継続的な案件に出会える可能性が広がります。

Go言語の利用上の注意点

Go言語の利用上の注意点について、独特の概念やエラー処理の方法について解説します。

ほかの言語とは少し違う考え方

Go言語には、Pythonなどの言語でよく使われる「クラス」という概念ではなく、「構造体」と「インターフェース」という概念があります。ほかの言語に慣れていると違和感があるかもしれませんが、概念をつかむに従い、シンプルでわかりやすいコードが書けるようになります。

エラー処理の方法が独特

多くの言語では「try-catch」という方法でエラーを処理しますが、Go言語ではそうではありません。Go言語では、関数の戻り値としてエラーを返し、それを確認するというシンプルな方法を採用しています。

プログラミング初心者ならスクールでGo言語を学ぶのがおすすめ

高速で安全な処理が可能で、将来性が期待できるGo言語。ITエンジニアとして活躍したいなら、習得しておきたい言語といえるでしょう。独学でもGo言語は学べますが、効率よく実践的なスキルを身につけたい場合はスクールの活用が効果的です。

「最短距離でエンジニアを目指したい」「転職を視野に入れている」という方には、ぜひ、Go言語を扱うプログラミングスクールも検討してみてください。

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