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Intelが省電力性を重視したプロセッサーラインナップのAtomの開発計画をキャンセルしたという内容の報道が流れています。
そのため実質的にAtomプロセッサー開発から撤退してしまうのではないかという憶測があります。
具体的な内容の発表がIntelから現時点ではないようですが、複数の報道がそのように伝えているようです。
Atomプロセッサーは現在主力製品であるCore iシリーズなどとは別途設計されたものです。計算性能よりコンパクトさと低消費電力に重点が置かれています。
安価なWindowsノートパソコンやWindowsタブレット、一部Androidスマートフォンなどにも利用されています。
Atomの競合製品は、ARMアーキテクチャのプロセッサーです。
ARMアーキテクチャが主流のスマートフォン、タブレット市場に対して、Intelが独自のプロセッサーでシェア拡大を狙ってAtomを改良しリリースしていました。
AtomがARMアーキテクチャに比較する最大のメリットはIntel Core iシリーズなどと同じマイクロコードが動作することです。このようなことをバイナリ互換性と呼ぶこともあります。
Atomプロセッサを利用しWindowsパソコンと同じ規格で造られたタブレットでは、パソコンと同じWindowsをインストールでき、アプリケーションも使い回すことができます。
ただ省電力性を重視していること、また別途設計されていることから、バイナリ互換性はあっても動作速度については主力のCore iシリーズやその廉価版Celeronには及ばないものとなっています。
Core iシリーズを低消費電力化を推し進めたCore Mプロセッサーが今後Atomプロセッサーの後釜を埋めるとも考えられています。
どのようなプラットフォーム上でどのようなアプリケーションが動くかということについて、長らくOSやプロセッサーの組み合わせによって語られてきました。
Intelのプロセッサで動作するWindowsやWindowsサーバー、Intelのプロセッサで動作するMac、ARMで動作するAndroidタブレット、ARMで動作するiOS機器、Atomで動作するWindowsタブレット、ARMで動作するWindowsタブレット、などなど。
どれかの組み合わせでないと動作しないアプリケーションなどがあれば、それに応じてプラットフォームを変えなければなりませんでした。
最近の流れとして、一度プログラムコードをかけば、他のプラットフォームでも同じように動作する、という開発環境が充実してきています。
そもそもプロセッサの違いに応じて実行形式のファイルを書き出す部分についてはコンパイラなどが対応すべきであり、プラットフォームに合わせて開発側が対応するという時代は終わりを迎えそうです。
従来のIntelプロセッサーとのバイナリ互換性という独自性を打ち出した低消費電力プロセッサーでしたが、特にモバイル用途において大きなアドバンテージにならなくなってきた表れなのかもしれません。