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マイクロソフト社はWindowsというOSを作り上げて、それを世界で最も大きなパーソナルコンピュータのプラットフォームとして育てました。
世界中で利用される様々なデスクトップパソコン、ノートパソコンでWindowsは利用されています。
Windowsが実務に耐えうるようになったのはWindowsNTシリーズがリリースされてからです。
32bitプロセッサで動作するWindowsが提供する機能群をWin32APIと呼んでおり、現在のWindows上で動作するアプリケーションはWin32 APIを利用してWindowsの機能を利用しています。
WindowsNTからの流れはWindows XPでWindows 9xシリーズと統合され、現在のWindowsは堅牢なシステムとして維持されています。
Intelのプロセッサは現在もCore iシリーズなどが出荷されていますが、これはWindows登場当時のプロセッサと互換性を保った命令セットを持っており、これをIA32(x86)と呼びます。
現在もWin32 APIはx86の命令セットを持つプロセッサかそれをエミュレーションする形をとることが必要です。
x86命令セットを持つプロセッサに限定してしまうと、マルチプラットフォーム展開、スマートフォンや、その他タブレットに利用されている低消費電力のプロセッサを使えなくなってしまいます。
Win32APIをマルチプロセッサ展開できるものに組みかえれば良いのですが、Windowsは20年に及ぶソフトウェアの互換性を大切にしているため、Win32APIを互換性のないものにしてしまうには大きなリスクがあります。
OfficeはWindowsタブレットやMacなどマルチプラットフォーム対応をしていますが、VBAなどの機能が搭載されないのは、顧客がVBAで作成したソースコードに直接Win32APIを呼び出すようなものなどが多く含まれている実態を把握しているからでしょう。
現在Windowsはx86命令セットに依存しない新たなプラットフォームと共存する形で展開を始めています。
従来までのWin32 APIを利用したアプリケーションと、WindowsストアアプリやWindows Phoneアプリなどが共存していくプラットフォームとしてWindows10への移行をMicrosoft社は進めているように見えます。
あくまで互換性を重要視しつつ、今後の展開についても考えられており、WindowsがWin32 APIだけのものでなくなる将来の可能性を感じることができます。