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コンピュータに必ず必要なのは記録メディアです。
情報処理の勉強をしていれば外部記憶装置という名称で学びます、電源を切れば主記憶装置(メモリ)の内容が消えてしまうコンピュータでは欠かすことができないものです。
磁気テープ、フロッピーディスク、CD−RやDVD-R、ハードディスク、様々な用途で様々なメディアが利用されてきました。
磁気テープ記録は、パソコンで音楽用カセットテープにライン入出力を利用してデータを書き込んでいる情景が、パソコン利用が長い人であれば古い記憶にあるかもしれません。
磁気テープはデータセンターのバックアップや、企業や政府機関などの大容量データのバックアップにも現役で利用されています。
製造技術の向上によりテープ一本で容量は数TBに登ります。
ロボットアームで必要なテープを取り出すテープライブラリというものもあり、調べてみると奥深いものがあります。
テープライブラリ(Wikipediaへのリンク)
フロッピーディスクはパソコン内蔵ハードディスクが一般化する以前、どこにでもあるものでしたが、本当に消えてしまったメディアです。
保存アイコンのフロッピーディスクでさえ何をかたどっているのかわからなくなっていることに驚きます。
とにかく遅かったのと記録密度の低さです、1.4MBではWebの画像一つ記録できないのに驚きますが、かつてはOSまでもこの一枚に収めることができました。
ファームバンキングなどでは今でもフロッピーディスクは活用されているのかと思います
CD-RやDVD−R、BD-REなどの光学記録メディアはハードディスクやフラッシュメモリが低価格化する中で需要や用途は減っているように感じます。
光学記録メディアの最大の欠点は書き込み時間の長さでしょう。
低速で回転するディスクに順次的に書き込みをする以上は仕方ないところですが、他のメディアとの差がつきすぎてしまったように思います。
大容量化したとはいえ一枚のメディアをフルに書き込みするために20分以上かかるのは頻繁に扱うにはあまりにも低速です。
また光学記録メディアは磁気によらない記録であるために長期間の保存に耐える、ということについても、あまり信頼しすぎるのは良くありません。
保存状態にもよりますが媒体の材質の劣化やコーティング剥離などによって、保管しているだけでも読み取り不能になるためです。
ハードディスクは容量あたりの単価が飛び抜けて安いので、これからも主流の記憶装置になります。
ディスクの破損やクラッシュは避けて通れない部分はデメリットではありますが、それを他のハードディスクでバックアップすることでも十分コストパフォーマンスが出ますので、当分の間主役の座を奪われることは無いでしょう。
信頼性ではSSDに遅れをとるようになりましたが、ハードディスクは運用によって元々高くない信頼性を補う体制が整えられていることが最も重要です。
壊れないハードディスクを作るのはおそらく不可能ですが、データを失わないための手段はいくつも用意されノウハウも蓄積されています。
USBメモリやSDカード、SSD、などフラッシュメモリによる記録媒体が現在の花形と言えそうです。
USBメモリ、SDカードなどとSSDは信頼性に大きな差があります。
フラッシュメモリは元々書き込み回数による制限があり、劣化するとほぼ全てのデータが読み出しも不可能になります。
SSDはハードディスクと同等に利用できるように読み書き速度とともに信頼性を高めていますが、SDカードやUSBメモリは容量あたり単価を重視しています。
USBメモリやSDカードは個体差や使い方によりますが耐久性の限界を超えてしまうと書き込めないばかりか、内容が読み出せなくなりますので、これもまたバックアップがとても重要です。
USBメモリだけにしか保存していないデータはUSBメモリの劣化によって失われることを想定しておかなければなりません。
このトラブルはすぐに起こることではないので、思うほどリスクが周知されていないように感じます。
今後注目されるのはクラウドです。
クラウド以前にもWebDAVなどインターネットを介した外部記憶がありましたが、とにかくレイテンシーが高く、記録するにも読み出すにも時間がかかりストレスだったことなどで全く普及しませんでした。
Dropboxはローカルにデータを置いた上で定期的にサーバーと同期するという方法で、レイテンシーの問題を意識させない方法でうまく解決しています。
またGoogle AppsやOffice Onlineのようにローカルにデータを置かず、クラウド上にあるデータを編集することによって記録というものをそもそも意識させないアプリケーションも増えてきました。
ネットワークの高速化と普及を考えると、生産性アップのためにはクラウド化が最終的な解決になるのだろうと想像します。
利用者の増加によってクラウドを構成するデータセンター群にはより多くの記録媒体が必要になり、それには冗長化された大量のハードディスクや、SSDが利用されていくことになります。
データセンター向けのハードディスクはパソコン向けのものとはグレードが違いますので、メーカーとしても価値の高いものに軸足を移すことができるようになるでしょう。
そもそもクラウドはハードディスク含めた機器障害によるダウンタイムの低減を求めたものですので、個別のパソコンへの保管よりも安全性も可用性も高まります。