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Googleが自社提供のChrome OSを搭載したChromeBook上で、VMWare社連携して、Windows仮想デスクトップを提供する方針を発表しました。
Chrome OSはGoogleが独自に作成したLinuxベースのOSです。
Chrome OSは高速な起動が特徴で、名前の通りGoogle Chromeで動作するWebアプリケーション実行のプラットフォームとして、ChromeBookにバンドルされて発売されています。
Chrome OS上ではWindowsアプリケーションは動作しません。
これを仮想デスクトップという仕組みを用い、Windowsアプリケーションを動作できる仕組みを作るという内容です。
仮想デスクトップ(DaaS)とは、オンライン上にデスクトップPCを仮想化し、ネット経由でそれを操作できるようにする仕組みです。
ネットの向こう側のWindowsパソコンをリモート操作する感覚と同じものです。
一つ一つのパソコンは仮想化されており、処理能力の大きいサーバー群、よく耳にする言葉でいえばクラウドの上で動作しています。
クラウド上でデスクトップパソコンを動作させるメリットで、最も大きいのは耐障害性の高さでしょう。
クラウドは一つのサーバーが故障しても、他のサーバーがその処理を引き継いで動作できるようになっている上に、データのバックアップも十分行われているので、機械レベルの故障ですべてのデータを失う確率は、実機のパソコンよりも格段に低くなります。
このタイミングでの発表は、XP移行へ躊躇する企業ユーザー向けのものとして、最高のものでしょう。
ChromeBookは300~500ドルが価格構成の中で主流を握っており、これはWebアプリが動作する最低限の能力で済むことと、Windowsなどのライセンス費用が不要な事で、他のノートPCよりも安価にする事ができます。
ですので、ある程度まとまった形での購入でも、大きな負担になりません。
当然仮想デスクトップには別途費用がかかりますが、これは月額、年額ベースの請求で、一括での大きなソフトウェア出費にはなりません。
サポート期限があと二月と迫った時点で、機材やソフトの調達が未定な企業ユーザーであれば、十分検討に値する内容でしょう。
ここで対抗するのはクラウドの大手企業、仮想化基盤提供型のサービス(IaaS)を展開しているところでしょう。
IaaSを提供している大手にAmazonがありますが、AmazonもAmazon WorkSpacesという同様のサービスを提供しています。
Google自身もIaaSを提供してますが、Google自身が力を注ぎたいサービスは自社のGoogle Appsになりますので、これをVMWareとの協業という形を取ったものと考えます。
MicrosoftもWindowsAzureというサービスを提供していますが、将来的には仮想化が主流になる事を見越していても、Windowsのインストールされたパソコンを減らしたい、とは考えていないはずです。
次何か動きがあるとすればAmazonが価格やサービスなどで対抗するのではないかと考えます。
Microsoftのビジネス分野での独占を、どうやって切り崩すのか、ということを課題にしている企業は多くあります。
そういった多くの企業にとって、一番伝えたい事は「その仕事に本当にMicrosoft Officeは必要ですか?」という事でしょう。
しかし、まだまだOfficeなしでは、業務が回らない、過去の資産が引き継げない、フォーマットを変更する必要がある、といった使い続ける理由があります。
ただそれらを段階的に、脱Officeの方向へ誘導する事は、不可能ではないでしょう。
仮想デスクトップへつなぐ事でOfficeファイルも問題なく利用できますが、更にコストを削減するのであれば、移行できるものからGoogle Appsに移していきませんか、という方向に持っていく事ができるはずです。
この動きはMicrosoftも対抗の動きを見せており、一つがWindowsRTであり、Office365であり、という事です。