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米国時間6月10日午前よりのAppleのWWDC(開発者会議)でiOS7が開発中であることが発表されました。
受ける印象はiOSアップデート史上ないほどに大きく変わり、1ユーザーとしては、見た目や使いやすさに目が行くところです。
今回あまり大きく取り上げられなかった部分として、iOS7のビジネス向け新機能を考えてみてみたいと思います。
iOSは個人向けのスマートフォンという一面を持ちつつ、企業向け(エンタープライズ)用途の機能を強化させてきました。
Exchange対応や、VPN通信、CalDAV、CardDAVへの対応など、ビジネスの1ツールとして取り入れやすくするための機能をいくつも持っています。
アプリなども、AppStoreで販売されていない、企業向けのアプリが作れる仕組みなどがあり、iPhone、iPadは画面サイズや製品更新サイクルなどがある程度安定しているので、安定したソリューションとして組み込みやすくなっています。
より効率化されたモバイル端末管理。
複数台のiPhoneを管理するためのツールとしてAppleConfiguratorがありましたが、モバイル端末管理(MDM)が導入されることによって、より社内で利用する複数台端末の管理が行いやすくなると予想されます。
アプリのインストール、現在個人用途として提供されているFind My iPhoneや、リモートワイプによる情報漏えい防止なども集中的に行えるようになるのではないでしょうか。
iCloudなどもチーム向けや、企業向けのものが用意されるのかもしれません。
アプリごとのVPN(仮想プライベートネットワーク)。
これも推測ですが、現在iOSが一元管理しているVPNの仕組みを個別のアプリケーションで実装できるようになるのかもしれません。
VPNで社内と外出先を安全つなぐためにもいくつかの規格や実装があり、それをアプリごとに選択して組み込むことができれば、より柔軟にiPhoneアプリを社内の業務用サーバーなどと連携することができそうです。
企業向けシングルサインオン。
社内システムなどでのユーザー認証を一度行えば、個別のサーバーやサービスに接続する際に、毎回の認証を行わずに済むものです。
これは先ほどの予想、チーム企業向けiCloudと連携し、パスワードを一元管理するiCloud Keychainとかかわるものかもしれません。
アプリの一括購入。
現在もAppStoreにはVolumePurchase(一括購入)の仕組みがありますが、登録申請などが必要で、より適用範囲が広げられれば、企業へのアプリ導入が容易になるでしょう。
一部の店舗でiOS機器をレジや、決済用に使っている店舗もありますが、バーコード読み取りは専用のリーダーをつけたり、POSアプリの独自の実装となっていました。
これをiOSが機能として持つようになれば、お客様が差し出したPassBookクーポンをiPhoneで読み取り、料金の支払い、カード上の読み取り、という一連の流れがiOS機器だけでも完結できるようになります。
これは小売店舗や、飲食業でうまく利用できそうです。
今回のWWDCのセミナーの中で、これらの機能についてのプレゼンテーションなどがあり、秋にリリースを迎えるまでに機能のブラッシュアップなどが行われていくはずです。
そのなかで詳細な機能について、明らかになっていくはずですし、より企業向けのiOSデバイス導入のきっかけになるでしょう。
華やかな見栄えのする新しいiOSに隠れた部分も、抜かりなく力を入れるのがAppleらしいやり方だと思います。