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最近スマートフォンなどでLTE対応という言葉がよく聞かれるようになりました。
このLTE、スピードが高速になるということは、大まかに伝わりますが、いままでの携帯の通信網とどう違うのでしょうか。
Long Term Evolution(長期的な革新)の略で国際的な標準化プロジェクト3GPPにより第4世代移動体通信システム(4G)として標準化されました。
現在までのW-CDMA(docomo,Softbank)、CDMA2000(au)が3Gといわれる、第3世代の規格です。
これらの3Gと4Gには互換性はなく、現在LTEエリアではLTE通信、3Gエリアでは3Gの通信が使えているのは、それぞれの規格に対応した端末を使っているからということになります。
docomoのXi(クロッシィ)はLTEのdocomoの商品名です。W-CDMAによる3GをFOMAと呼んでいたのと同じです。
LTEは規格の最高速度であれば、家庭用ブロードバンド回線と同じぐらいの速度が出るように設計されています。
しかし現在ある端末で、規格の最大スピードを得ることが難しいのはいくつかの理由があります。
LTEという規格に準じていても、使用する無線の周波数帯はいくつもあります。それは携帯キャリアや地域によって違い、携帯端末によっても使用できる周波数帯はそれぞれ違います。
使用する周波数帯によっては、LTEの最大速度分の割り当てがされていないこともあります。
LTE基地局は2012年現在、3Gよりもかなり少ないため、LTEの高速性の恩恵を受けられる地域は、まだまだ限られています。また一つの基地局に収容される端末の数が多いほど、通信の混雑が起こりやすくなります。
携帯端末にLTEの表示があるからといって、ところにより通信速度があまり出ないというのは、これらの原因があります。
LTEは先行していたWiMAXよりも室内での使用に強いという利点があります。
現在LTEに割り当てられている周波数帯はdocomoで800MHz、1.5GHz、auでは800MHz、1.5GHz、2.1GHz、Softbankでは1.5GHzとなっています。
ここにプラチナバンドと呼ばれている、700MHz、900MHzなどのサービスが各社とも加わる予定となっています。
それぞれのキャリアも複数の周波数帯で同じ規模の基地局数を持っているわけではありません。
周波数が低いほど、一般的には障害物に強くなり、室内などへの到達性は向上しますが、キャリアが基地局の配置を工夫することで、それらの弱点も、あまり目立たなくなってきています。
今のところ、都市部でもすべてLTEの範囲内となっているわけではありませんが、今後徐々に基地局が増えていく中で、様々な場所でLTEで接続できるようになるでしょう。
LTEの名称にもなっているLongTerm(長期的な)という言葉には、次世代のLTE規格に制定までの間に、長期的な視点で発展していくといった意味合いが込められています。
LTEはまだ始まったばかりで、これから徐々に3Gを置き換えていくことになります。当面は3Gと帯域を分け合うこともあり、十分な速度が出ない、また通信上限が設けられている、という状況が続くと考えられます。
ユーザーも長期的な発展を期待しつつ、LTEの繋がりやすさ、スピードを享受できる日を待つのが良さそうです。