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iPadの従来型9.7インチモデルが特別な予告なくアップデートされました。
iPad Air2からの更新で製品名はiPadのみとなりました。今回の大きな変更点は価格です。32GBのWi-Fiモデルで37,800円。性能としてプロセッサは最新のものに更新されましたが、他の技術的な部分ではiPad Air初代に準じるものです。
iPadはAppleの中で公表される中でも年々出荷台数の下がる製品とされています。利益率としてもiPhoneなどよりも低く、製品としては力を入れていますが、売上で伸び悩んでいるものです。
なぜ売れないのか、といえば製品の寿命があまりに長いことです。充電は様々なアプリを使っていても10時間持つもので、iPhoneであればアプリを使いっぱなしではそこまで長くは充電が続かないのに比べると、たくさんバッテリーを積んでいるだけあります。
スマホに比べて数倍の面積を持つiPadの内部構造を見ると、ほとんどはバッテリーです。
2010年に購入した初代iPadでも現在すぐに電池が切れてしまうなどがなく、十分利用に耐えるぐらいには充電が持ちます。かつて使っていたiPhone4Sはみるみる充電が減っていくので、大きな差がつく部分です。
またiOSのアップデート対応期間の長さも、新規購入の必要性を失わせます。2012年に発売されたiPadのモデルでも最新のiOS10にアップデートすることができます。
2012年モデルではiOS10のすべての機能が利用できるわけではありませんが、無くとも従来までの利用で困ることがない機能が多いところです。
写真、音楽、WEBブラウザ、スケジュール、マップ、電子メール、これらを主に使う場合にもっと安価なAndroidタブレットと大きく性能が変わることはありません。
筆者はiPadの魅力はアプリをインストールすることで活きてくると感じていますが、有償のアプリを購入しないユーザーはかなりの比率を占めています。購入しないユーザーは活用しきれていないというわけではありませんが、iPadを選ぶ必然性が少なくなるように感じます。
iPad Proという高額商品にiPadの軸足を移してしまうのか、あるいはiPadを廉価にして普及を狙う方針なのかはわかりません。iPhoneのようなスマートフォン製品に比べて、新機種をユーザーにどう訴求するかを手探りなのではと感じるアップデートでした。