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発売後、すでにiPad第四世代とあわせて300万台を売り上げたというiPad miniですが、今回仕様の発表時に、なぜ高解像度のRetinaディスプレイを搭載しなかったのか、という声が多く聞かれました。
これについて、考えてみようと思います。
iPadとは、iPhoneと同じiOSで動作するコンピュータで、薄くて持ち運びしやすく、キーボードはなし、充電後に実使用時間10時間動作する。
これが初代のiPad登場時からの変わらない、iPadのありかたで、miniもこの仕様に収まっています。
初代iPadからiPad2へはプロセッサの変更によるパフォーマンスアップ、ディスプレイ解像度は同じ。
iPad2から新しいiPadへはディスプレイ解像度の4倍の向上。
新しいiPadから第4世代iPadはプロセッサの変更によるパフォーマンスアップ。
iPad miniはディスプレイサイズを9.7inchから7.9inchへと変更し、重量、薄さなどをかなりコンパクトに仕上げています。
このiPadとは何かという点が、miniの今回の仕様の重要なポイントとなります。
RetinaディスプレイとはAppleの考え出した用語ですが、高解像度ディスプレイの呼び名で、iPhone4登場時にネーミングされ、新しいiPadでは2048×1536ピクセルという、一般のノートパソコンをはるかに越え、フルHD以上の解像度を持つようになりました。
一昔前のPCを触っていた人にはわかるお話ですが、古いPCのグラフィックボードでは到底利用することのできない解像度です。表示用のディスプレイもないのもありますが、古いPCでそんな解像度が無理だったのは、処理が追いつかないからです。
グラフィックチップの能力も足りなければ、グラフィックメモリの使用量もかなりの量になり、まともなパフォーマンスが望めなかったぐらいの高解像度です。
それをこの小さいiPadはどうして搭載できたのでしょうか。
それはこの高解像度に達することができるだけのグラフィックチップを省電力化し、搭載することができたからです。
しかし、省電力化できたとはいえ、その解像度を実現するためには、バッテリー容量の増大が必須でした。充電後10時間使えるのが、iPadの便利さを支える条件と考えてみると、従来のバッテリーで高解像度にしたので3時間しか使えません、ではいけないのです。
iPadのバッテリー容量を見てみましょう。
初代iPad | 6600mAh |
iPad2 | 6600mAh |
新しいiPad | 11560mAh |
第4世代iPad | 11560mAh |
iPad mini | 4490mAh |
(数値はパーツからの推測値で公表されていません)
新しいiPadはRetinaディスプレイを搭載するために、iPad2から約2倍のバッテリー容量を増量しています。
それでようやく、充電後10時間の使用ができるというiPadの条件を満たすことができたわけです。
当時、少し重くなった、と言われていましたが、少し重くなったぐらいで、大きさを変えずにバッテリー容量だけを二倍するのは簡単なことではありません。
高密度のバッテリーセルを使用するだけでなく、内部の基板などの設計を改め、できるだけ多くの面積をバッテリーに割けるようにしています。
miniも大きさを小さくするために、基盤など内部構造の設計はかなり綿密に取り組まれているでしょうが、今のところ初代を下回るバッテリー容量となっています。バッテリーを設置できる面積が小さくなる以上、これはしかたのない部分です。
これではRetinaディスプレイの高解像度を10時間駆動できるわけがありません。そうなってしまうと、iPadの定義から外れたものになってしまいます。
では、今後もiPad miniはRetinaディスプレイを搭載できないのでしょうか。
いずれは搭載される、と筆者は考えています。
プロセッサのパフォーマンスと省電力性は年々向上しており、新しいiPadと第4世代iPadでは動作速度が2倍になるほどのパフォーマンス向上をみていますが、バッテリーは同容量です。
また液晶パネル自体の性能も向上しており、全体的な消費電力は下がっていくことが想像できます。
またバッテリー自体の性能向上もありますから、より小さい設置面積で大きな消費電力をまかなえるようにもなるでしょう。
そのバランスがうまくつりあったとき、iPad miniにRetinaディスプレイが搭載されるのではないでしょうか。
では現在のiPad miniは過渡期の製品かというと、そういうことはなく、小さくなった以外は完璧なiPadと呼べるものです。
現在のiPad対応アプリで、iPad miniで不自由となることはありません。
いまiPadでできることは、同じようにiPad miniにもできますので、使用者の好みに合わせて、大きさを選ぶことができるようになった、といえます。
Retinaディスプレイが必要であれば第4世代iPad、持ち運びやすいほうがよければminiをというふうに使い分けることで、あとはアプリは使い回しできて、バッテリーのもちなどの差を気にする必要がないのがiPadの最もよいところでしょう。