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Amazonが自社で提供する仮想Windowsデスクトップサービス、Amazon WorkspacesがWEBブラウザをクライアントとして利用することができるようになりました。
Amazon WorkspacesはAmazonの提供するクラウドで動作するWindows7+OfficeのWindows環境です。これまでは各種WindowsやMac、Linuxのクライアントやタブレットなどのモバイル用のクライアントが必要でした。
ブラウザでの利用が可能となることで、標準的なWEBブラウザを搭載したあらゆる機器で利用することができるようになります。これは専用の端末を持っていなくともできるということでもあります。
もちろんローカルで動作するWindows機に比較すると、間にインターネット通信があって画像やキー入力などのやり取りになりますので、それぞれの遅延は避けられないところです。
費用的にはずっと電源オンの状態である月額課金制と、ログインしている間だけの課金である時間課金制の二つの方法があります。
これを安価でユーザーが使いやすいものとして期待すれば、その期待とはマッチするものではなさそうです。月額で考えるとOffice込みで50ドルぐらいからが相場となりそうで、低パフォーマンスのものはもっと安くなりますが、実用性などに影響を与えてしまうかもしれません。
Amazon Workspacesは社内にシンクライアント環境を揃えている企業にアピールするものです。あるいはシンクライアント環境を導入したいが、技術的や費用的な問題で導入できていない企業にも魅力があるサービスです。
シンクライアントというと、目の前のパソコンは単に端末に過ぎなく、システムやデータをそれぞれのハードディスクに持たずに、ネットワーク越しのリモートデスクトップを操作するものです。
シンクライアントのメリットは全てがサーバーで集中的に管理できることと、クライアント数が増減しても機材費が少ないということです。端末が故障しても端末側にはデータがないので、データや作業などを失う可能性はありません。
サーバー側でユーザー名とパスワードを発行すればすぐにどの端末からログインでき、すぐに作業にあたることができます。
またデータを個別に保持しないので、漏えいや改ざんなどのリスクを大きく低下させます。ウィルスなどのセキュリティについてもサーバー側で一括管理できます。
従業員が増えた場合、パソコンを購入し、初期セットアップをし、パスワードを発行してActive Directoryなど認証サーバーに接続する、それらの手間と費用がほとんど省けます。Officeをはじめとしたライセンス管理なども不要になります。
仮想デスクトップ環境に移行することで管理負担の低減が大きな節約になる時、クラウド上にリモートデスクトップを持つことも大きなメリットになります。
今後普及するにつれ費用は低下するという見込みや、LANを超えて使うためにさらなる費用が不要になるということで、まずはIT資産管理コストの大きい企業では重要になりそうです。その後中小規模の企業でも導入が進んでいくのではないかと考えています。