iPhone6はMacBook Airより高い?
iPhone6の価格が発表され、SIMフリー版iPhone6 128GBモデルの一括購入金額が¥89,800で、MacBook Air11インチ128GBモデルの価格が¥88,800であることが話題となりました。
スマートフォンが同一メーカーのノートパソコンよりも高い、ということはiPhone6は高額製品なのではないかという趣旨です。
筆者は元々iPhoneはApple製品の中でも高額な方に分類されると考えていましたので、これが話題になることは意外でした。
iPhoneをいくらで購入しているか
iPhoneは通信キャリアの店頭で、実質0円と大々的に広告されて販売されていますし、実際その日にほとんど持ち合わせがなくても、クレジットカードと身分証明書などがあれば契約して持ち帰ることができます。
それは、電話通話料金とデータ通信料金24ヶ月分の契約と、月賦での本体価格を支払う契約をしているからです。
筆者は通話料込みで毎月平均¥7,000程度の出費になっていますので、iPhoneを一台購入することは¥168,000の出費と考えています。
それは月々の通話利用料を纏めてしまうのがそもそもおかしく、電話なしで生活も仕事もできないのだから、また月々の利用料から月々割りなどで本体価格分が割引されているのだから、という考え方も一つです。
しかし、その24ヶ月の契約を途中で打ち切れば、月賦の残額が一括で請求され、通信の契約についても違約金が発生してしまいます。
仮にiPhoneが販売価格¥70,000だとすれば、本体代金として¥70,000、通話通信料金として¥98,000を24ヶ月に分割して通信キャリアに支払っていることになります。
本体代金の割引について
本体代金の月賦を通信料から割引することで、実質的に通信料しか支払っていないような請求書は毎月届くことになります。
それは上記の理由で、24ヶ月で10万円近くのユーザーを簡単に確保できるからです。
通信キャリアは業界シェアと、顧客単価の高いユーザーの獲得を一番の目的としています。
シェアや顧客単価が低下してしまうと、株主に対して責任を果たせていないことになってしまいます。
シェアを強化するには、割安感と顧客満足度のアップです。
いわゆるガラケー、フィーチャーフォンの時代は通話料がほとんどで、データ通信は自宅のパソコンでというきり分けをして節約をすることが可能でした。
現在それは逆転して、スマートフォンだけしか自宅にインターネット環境がない、というユーザーも多くなってきています。通話料を節約するためにLINEのような無料通話アプリを使う逆転も起こっています。
スマートフォンが普及する以前はデータ通信料は、現在に比べるとわずかなものでした。誰もが携帯電話でWEBサイトを見たり、地図を使ったりはしていなかったはずです。
もちろんそのデータ通信の下支えとなるインフラ面への投資は大きく必要でしたが、LTEの普及範囲が広まり、ますますデータ通信については使いやすくなっています。
それはもう一面として、ユーザーの工夫でデータ通信費について節約しにくくなっているということです。
iPhoneとMacBook Air
筆者の捉え方では、MacBook Airは¥88,800円ですくなくとも3年程度は快適に最新のアップデートを受けて使い続けることができるものです。維持費は電気代ぐらいでしょうか。
またAppleのパソコンは中古販売の際に他社製パソコンに比べると、有利な価格付けがされていますので、用途などにマッチしない場合は中古品として売却することも気軽です。
筆者の場合、iPhoneは通信キャリアとの契約込みで¥170,000ぐらいの買い物です。
24ヶ月経って月賦の支払いも終わり、解約月になった際は有利な条件を求めてMNPなどを考えることになり、新機種の検討を始めるので、新機種購入のサイクルも早いです。そして二代型落ちのスマートフォンはあまり有利な中古売買を期待できるものではありません。
このふたつの機器は、目的が全く違うものですし、比較の対象にそもそもならないとは考えていますが、iPhoneは同じApple社製品の中ではユーザー負担の大きい製品であることは間違いないことでしょう。
コンピュータとして考えれば、ノートパソコンは枯れた、ありふれた存在です。大きな技術革新もなく、設計や部品の調達も比較的難しくはありません。
スマートフォンは未だ発展途上で、メーカーにとってもユーザーにとってもコストの大きいものではあると考えます。