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FreetelのSIMをiPad mini 4で開通してみました

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iPadを6年使って

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iPadを6年使って

iPadの初代が2010年にリリースされて、6年目です。 発表は2010年の初頭でしたが、その年は需要に供給が追いつかず、日本での発売は5月末という状態でした。 iPad初代を手に入れた最初の印象は、画面までの距離が短く、好きなように持てるのはとても心地よいという感覚です。 心地よいWebブラウジング用コンピュータという感覚を受けました。 誰でも最初に思う弱点は、これでは入力には向かない、ということです。 ソフトウェアキーボードは短文やショートメッセージに困りませんが、長文の入力やブラウザベースのワードプレスなどの文章作成にも不向きだと感じました。 初代iPadは256メガバイトのメインメモリ(未公表)で、規模の大きなjavascriptを使ったサイトではブラウザが強制終了してしまうなど、メモリの少なさに起因する不安定が多かったように覚えています。 今と比べて貧弱に思うところはグラフィック性能です。 Unrealエンジンというゲームエンジンがなんとか動作するというぐらいの能力で、3Dグラフィックを含めて普及型のパソコンには遠く及ばないものでした。 その後はプロセッサとプロセッサの組み込みのグラフィック性能がどんどんと伸び、初代iPadの4倍のピクセル数を持つディスプレイでも遅延などなく複雑な表示もできるようになってきました。 省電力のスマートフォンむけのプロセッサはもともと性能は低かったですが、伸びしろという部分では大きくありましたので、順当に成長して行っているのが実感できます。 今でも相変わらず入力には向かないデバイスです。スマートキーボードやサードパーティ製Bluetoothキーボードなど様々な工夫はなされていますが、向き不向きの分かれる部分で、ノートブック型パソコンには及びません。 英語圏であれば漢字変換という作業が不要なのでもう少しスムーズにいくのではと思いますが。 タブレットやスマートフォンを意識したWEBアプリが増えてきたことで、6年前ほどの不便は感じなくなってきています。 アプリや諸々が実現できることは増えましたが、基本使い心地の良いコンピュータとしてのイメージから離れることはありません。 そのようなことからも、初代のコンセプトで完成されたものだったと思うところです。

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9.7インチiPad Pro発表

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9.7インチiPad Pro発表

9.7インチのiPad Proが発表され、iPad Proが12.9インチの物と2サイズになりました。 iPad Proの9.7インチは前世代のiPad Airから内部の設計が更新され、より多くのバッテリと高性能なプロセッサ、4つのスピーカーが搭載されます。 一方ではメモリ容量は2GBのまま据え置きと12.9インチiPad Proの4GBから比べると半分になっているようです(非公表値)。 iPad Proは両モデルともApple Pencilの対応が可能となりました。 Apple PencilはBlueTooth規格を利用したiPad Pro専用のペン型デバイスで、いわゆるスタイラスと呼ばれるものよりも文字や絵を描くことに特化されています。 Apple Pencilが接続されると、Apple Pencil入力可能アプリを起動している際はタッチパネルの走査回数を増やし、より低い遅延と、パームリジェクションと呼ばれる手のひらのタッチを無視する機能が働きます。 遅延を減らすこととパームリジェクションについてはプロセッサの処理能力を使いますので、iPad Air2までのiPad及びiPad miniでは利用不可としています。 そもそも指先による大雑把なタッチ操作を前提に作られているiPadにとって、スタイラスのような点を押える操作は必要はありませんので、描線など専用のデバイスと考えると自然です。 メモリ搭載量については、バッテリ容量で12.9インチ同等にはできない中、節電のために2GBということになったと推測します。 メモリについてはOSの扱う量以外はアプリに割り当てられていき、アプリ内で不足を起こすと他のアプリを終了させるなどしてメモリを確保していきますので、メモリ不足という事態にはあまりおちいらないようになっています。 12.9インチのiPad Proのアドバンテージとして4GBのメモリは、クリエイティブなアプリについては未だ大きいものです。 メモリが多ければ多いだけ有利になるアプリであれば、表現や制作の可能性は広がります。メモリ利用量に依存しないアプリの場合は、大きな差は生まれないはずです。 できるだけ大きな画面で動画や写真を見たい、クリエイティブなアプリを最大限に使いたい、ということであれば12.9インチは魅力的です。 従来の9.7インチiPadと同じ使い方を主にしたいということであれば、9.7インチのiPad Proが価格的にもこなれておりおすすめと言えそう です。

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FreetelのSIMをiPad mini 4で開通してみました

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FreetelのSIMをiPad mini 4で開通してみました

Freetelはdocomoの携帯回線を提供するMVNO企業です。 Freetel for iPhoneプランというサービスを10月9日から提供するということで、興味が湧き、SIMフリー版のiPad mini4で利用することにしました。 大手キャリアと違い二年縛りなどの契約がなく、やめたいと思えばすぐに解約することができ、使わなければ月299円ということで、気楽に始めることができました。 iPhoneプランはApp Storeへの通信費用が免除されるということで、特定のアドレスに向けた通信が利用料からマイナスされるということなのかと思います。 あまり屋外でアプリをダウンロードすることはないとは思いますが、月額としては変わりないのでこれを試してみます。 SIMは公式サイトから通販するか、取り扱い店舗でも購入することができます。近くの家電店が取扱店でしたので、3,000円で購入します。for iPhone向けのパッケージもあるようですが、既存のものでもプラン変更はWebサイトから可能です。 (※サービス変更は翌月からになるようです) パッケージの中にはdocomoと書かれたnano SIMカードがあり、電話番号と製造番号が書かれているので、これをFreetelのWebサイトからクレジットカード情報などを登録してアクティブ化します。 登録したメールアドレスに「FREETEL SIMサービス開始のご案内」というメールが来れば通信が開始されます。 iPad mini4はiOS9なので、パッケージ内に書かれたAPN設定では利用できず、 https://www.freetel.jp/sim/apn_Setting/#iphone 上記ページの手順でプロファイルの設定が必要です。 これでiPad miniがdocomoの電波を掴むようになり、Wi-Fiのアクセスポイントへの接続や、iPhoneなどからテザリングを受けなくても屋外で利用することができるようになりました。 FreetelのSIMを利用するにはSIMフリー版のiPhone、iPadを利用するか、docomoが販売しているものであることが条件になります。

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Kindleの価値

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Kindleの価値

このところ、書籍でKindleで買えるものは積極的にKindleで購入しています。 当初Kindleに抵抗があったのは、 ・紙の書籍とは違いすぎて抵抗感がある ・AmazonがKindle書籍の権利を管理しているので、発売中止になれば買ったものでも読めなくなるのでは ・流通や紙、製本にかかる費用がないのに紙の書籍と同じ価格なのは割高感がある というものでした。 抵抗感は、これは慣れによって消えて行きました。当初、慣れなかったことは事実ですし、慣れないことにより避けていることで、より親しみがわかないということがありました。 毎日使っていると、二ヶ月ほどでその違和感は消えてしまいました。 Kindle書籍の権利の問題は、確かにその枠組みは今後も消えることなく残ることだろうと思いますが、そもそもそのような書籍に当たることがない、確率としてかなり少ないという当たり前のことに気がつきました。 これはそれまでの苦手意識から使わない理由として、とても小さな出来事を大きく考えていたのだな、と今から振り返れば言い切れます。 割高感について、これこそ一番大きな間違いだったなと思うところです。 場所を選ばない、時間を選ばない、そして本棚の必要がなくなる、というこのことは、紙の書籍を持つことよりも大きな価値があるとわかりました。 例えば現在進行中の物事について複数冊の書籍を当たりながら進めなければいけない場合、その複数冊の書籍を常時携帯することは難しいです。 またどこでも読める、ということも大きなプラスになります。居間でも、公園でも、移動中の電車でも、寝室でも、おなじ形で読むことができるのは大きなメリットです。 複数冊の本をどんな状況でも読めるということは、とても大きな価値があり、紙の書籍に求めていたのはあくまで物としての確実さ、だけだったなと思っています。 メリットがあると感じるなら、割高感は消え去ります。 すでに多くの人が使っている中で、ようやく自分の気持ちも時代に追いついたのかと思うところです。

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Apple Pencilとジョブズ

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Apple Pencilとジョブズ

Apple PencilがiPad Proの専用のオプションとしてAppleから発売されることになります。 このようなタッチパネルに触れるためのペン、スタイラスはスティーブ・ジョブズ氏がiPhoneを発表した際に否定していたものなのに、路線転換を感じさせるという意見も聞かれます。 iPhone登場時、スマートフォンと呼ばれるもの以外に、個人向け情報端末(PDA)というものも残っている時代でした。 その時代のスマートフォンで大きなシェアを占めていたのは、フルキーボードのついているBlackBerryで、先進的と言われていたものです。 液晶パネルに指で精密にタッチを行うのは、技術的に難しく、またストレス無く操作を行うために、点でポイントできるスタイラスは大きな地位を占めていました。 スタイラスでの文字入力の限界を補うために、アルファベットのフルキーボードを携帯電話に搭載したものがBlackBerryで、オバマ大統領が就任時に使っていたことも、そのシェアを感じさせるエピソードです。 iPhoneは一点だけでなく、複数点のタッチを検知する仕組みマルチタッチを搭載しています。また現在のスマートフォンの基礎となるような、スマートフォン向けのユーザーインターフェースの基準を作り出しました。 あくまで指によるタッチは不確かなものとして、UIの設計とソフトウェアによる補正で、物理的なキーボードもスタイラスも不要な操作ができます、ということがジョブズ氏のプレゼンテーションの意味と考えます。 スタイラスによる操作は、イラストレーションにおける分野ではWindowsタブレットが最も遅延なく入力できる点で先をいく、と言われていました。 ペン入力に強いSurfaceをはじめとしたWindowsタブレットの競合としてiPad Proをラインナップに加えたいという意図があり、それを押し出すために、あえて新製品発表会の場でApple Pencilに時間を割いたものでしょう。 iPad Proは大きなサイズですので、バッテリーの搭載量はとても大きく、バッテリー稼働時間が従来のiPadと同じ最大10時間ということで、現在より高速なプロセッサとメモリ量が搭載されていると想像されます。 パフォーマンス向上と、描画領域の拡大によって、どれだけイラストレーターに評価されるかが、これから登場するApple Pencilの意味になりそうです。  

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iPad Pro

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iPad Pro

日本時間2015年9月10日のイベントでiPadのハイエンドモデルiPad Proが発表されました。 サイズが従来の9.7インチから12.9インチと大きくなり、パフォーマンスなどでも大きくiPadを上回ります。 またiPad Pro専用のApple PencilやSmart Keyboardがオプションとして利用できるなど、従来のコンセプトに収まらないものとなっています。 発表の場ではとくにパフォーマンスについて強調されており、パソコンを含めたモバイルの中でもパフォーマンスの高いものであることが一番の特徴になりそうです。 iPadはWebブラウザ、電子書籍のリーダー、撮影した写真を見る、ゲームをする、ビデオを見る、音楽を聴くなど主にアウトプットのための機器で、文字の入力や何かを作成するインプットには向いていない、あるいはあまり使われない、と捉えられています。 実際、ユーザーインターフェイスがタッチパネルのみで長時間の作業をするには向いてはいませんし、見る、読むという目的であれば、初代iPadでおおよそのことができています。 iPad3で高解像度ディスプレイを搭載した以降、パフォーマンスアップと薄型化によって使いやすくはなりましたが、初代iPadで十分なユーザーにとって、改まって新型を購入しなくても使う上で不便はありません。 iPadは従来のデスクトップパソコンを持て余していた人にとって、日常の利用ではこれで十分だと思わせる力があり、それらのユーザーにはおおよそ行き渡ってしまった感覚はあります。 大型化したスマートフォンでもその役割については十分だと考える層はさらに大きなボリュームになります。 そもそもAppleはMacを個人向けのクリエイティブツールとして売り出してきた経緯があり、iPadはその流れを受け継いで音楽、写真、イラストレーション、動画などのアプリが充実しています。   プロのイラストレーターにはペン入力の追従性があまり良くないと指摘されていたiPadですが、純正スタイラスとiPad Proのパフォーマンスでそれらの問題を解決しているのではないかと思われます。 DTMやDTP、イラストレーション、写真加工、などの用途にiPadは十分な性能を持っていることは、それらに深い関心がなければ、知られていないことなのかもしれません。 それを武器にして停滞しているタブレット市場に一石を投じようというAppleの思惑を感じさせます。

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Apple製品の分解サイトiFixit

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Apple製品の分解サイトiFixit

先日発売が開始された新しいMacBookの分解記事がiFixitで公開されています。 https://www.ifixit.com/Teardown/Retina+Macbook+2015+Teardown/39841 筆者はいつでもAppleから新製品が発売されるたびにこのiFixitが分解記事を掲載するのを楽しみにしています。 Apple Watchも入手できるようになればすぐにiFixitで分解記事が掲載されると思います。 Apple製品はオンラインストアでのカスタマイズ以外に個人での部品交換などが不可能な構造で発売しています。 バッテリ交換の可能なモデルも現在はないので、Apple製品にドライバーなどを使う機会はありません。 そして分解した場合はAppleからの修理は受けられなくなってしまいます。 ただ保証が切れてしまった場合、Appleから提供される修理でなく自分の力で直したいという需要はありますので、iFixitはそのために分解記事を作成し公開しています。 専用の工具がないと修理できないものばかりですので、そのためのツールをiFixitは販売しています。 筆者は修理のためでなく、どんな構成で作られているのか、どんなチップやパーツが選ばれているのかなどを興味深く読ませてもらっています。 iPadもほとんどがバッテリーであることに驚きましたが、今回のMacBookもバッテリーの装着点数の多さに驚かされました。 もともとApple製品の分解というとApple情報サイトの中でもKODAWARISANという日本の方が運営されているサイトがファンの間では知られていました。 http://www.kodawarisan.com/ ハードウェアという観点からパソコンやスマートフォンを見ることも少ないと思いますが、どちらも工業製品として作られていることを思い出す意味でも一度いろいろ眺めてみるのも楽しいかもしれません。

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スマートフォン・タブレットのアプリ作成

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スマートフォン・タブレットのアプリ作成

スマートフォンやタブレットのアプリは、iPhoneやAndroidのアプリストアに行けば無数に存在します。 それぞれアプリを企業や個人が作成し、アプリストアに申請して販売されていますが、作成する側にも幾つかの選択肢があります。 ネイティブ、Webアプリ、クロスプラットフォーム開発などと呼ばれるものが主な選択肢です。 ネイティブアプリとは ネイティブアプリはスマートフォン提供元が公開している、そのスマートフォンとOSのすべての機能を使い切ることができる開発方法です。 iPhoneであればObjective-C、AndroidであればJavaが開発言語になり、またそれぞれ一長一短があります。 この二つの開発言語には互換性がなく、素材などはそのまま使えたとしても、開発部分は別途行わなければなりません。 開発について両対応をネイティブアプリに求めれば開発にかかる費用は二倍になります。 この費用の増大が、スマートフォンアプリ開発を難しくし、ビジネスに規模を求められる要因の一つでしょう。 どんどん規模が大きくなり、商業化したサービス専用アプリや、ゲームのような商業的なアプリが市場を占めるようになります。 Webアプリとは Webアプリはスマートフォンには組み込みのWebブラウザがあり、アプリ内から組み込みのWebブラウザを呼び出すことで、Webページをあたかもアプリのように使う方法です。 それであればWebブラウザを利用すればいいとも感じますが、アドレスなどを入力する必要なくアプリを起動すればそのWebサイトをアプリとして利用することができます。 Webブラウザの機能を利用するので、互換性の問題は最も少ないです。現在はブラウザ経由でスマートフォン側のカメラや写真アルバムの内容、画面の向きなど、すべてではありませんが機器情報にアクセスできますのでスマートフォンらしいアプリを作成することができます。 ただWebサーバーにアクセスが集中すると遅くなったり動作しなくなったり、またスマートフォンとしての機能の利用が大幅に制限されるのであくまでWebアプリで十分な場合にしか利用されません。 クロスプラットフォーム開発とは PhoneGapやCordova、Titaniumなどの開発ツールを利用し、一つのソースコードでiPhoneとAndroidで利用出来るアプリを作成するものです。 Javascriptという汎用性が高く、Web開発でよく利用される言語を利用し、開発ツールがネイティブ言語との橋渡しをします。 Web開発に比べて、開発ツール側が対応すればスマートフォンの様々な機能やセンサを利用することができます。 スマートフォンとしてユーザーが求めている機能はほとんどの場合クロスプラットフォーム開発で実現可能です。 ただネイティブアプリに比べると動作が遅かったり、完全にスマートフォンをコントロールできない部分が実現したいアプリに適切でない場合もあります。 また開発は一つの言語でできても、思う通りに動作するか、エラーが発生しないかというテストはそれぞれの機器でテストしなければいけなく、それぞれ不具合がある場合はソースコードから修正しなければなりません。 テストはソフトウェアの開発で重要な工程ですが、クロスプラットフォーム開発でこの工程までも短縮できるわけではありません どれを選択するか 設計や開発の段階で、この三つの方法のどれかを選ぶわけですが、予算や工期が十分に取られている場合はネイティブアプリが選ばれます。やはり動作速度や安定性は利用者が最も優先するところです。 機能が複雑でなく、両対応が求められている場合などはクロスプラットフォーム開発を行うのが最適という場合もあります。 サーバー側で大きな機能をもたせているネットワークサービスで単純なクライアントを求めている場合にも、細かなサーバー側の変更に追従しやすいメリットがあります。 Webアプリについては、ほぼWeb側で機能を実現できている場合や、Webサービス側の機能が頻繁に変更されアプリストアの申請を待つ余裕がない場合などに使い勝手が良いです。 スマートフォンアプリも様々な方法が用意され、発注元や開発者にも最適な選択肢が用意されています。

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WWDC2014の発表について感じた事

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WWDC2014の発表について感じた事

2014年Apple社のWWDC(全世界開発者カンファレンス)が6/3日本時間深夜に開始され、恒例のキーノートスピーチが行われました。 かつてスティーブ・ジョブズ氏がiPhone3Gを発表するなど、今後のAppleの経営方針や、新製品の発表などで注目を集めるイベントです。 今回はiOS8やMac OS X YosemiteなどOSやソフトウェアの更新についての発表がほとんどでした。 また即日公開されるものはなく、秋頃のリリースと公表されたのみです。 新製品は別の機会に 近年WWDCではソフトウェア部分の発表に留まる事は多くなってきており、イベント名が開発者カンファレンスですから方向性としては正しいものの、大舞台での新製品iPhoneの登場を望む人は多くいますし、肩すかしの印象を受ける事もあります。 2013年のWWDCも同様にiPhoneについてはiOS7の発表に留まり、ハードについてはハイエンドのMac Proなどが発表されたに留まりました。 iPhone6と思われる新型はiOS8と次期を同じくして、今秋の発表となるのではないでしょうか。今回は現状のiOSデバイスについて更新される機能のみを公表したものでしょう。 新型のiPhoneが独自に持つハード的な新機能については、新機種の発表会までは公表せずサプライズ的に発表されますので、iOSにはまだまだ未公表の新機能があるだろうと考えています。 iPhone5sに搭載されたTouchIDなどは、2013年のWWDCでは存在しないかのように扱われていました。 Appleはハードウェアの会社なので、新しいiPhoneをはじめとしたハードウェアを売り込む為の様々な魅力は当面隠されたままでしょう。 オーディオメーカーBeatsの大型買収や、健康管理のHealthや家電操作のHomeKitについては、今後のハードウェアの新規発表に何かしらの形でつながりそうです。 MacについてはiOSとの電話やメッセージ、ファイル共有の機能統合が進められ、MacとiOS機器とのエコシステムの強化が図られた印象です。 開発者を呼び戻すことが最大のメッセージ 今回iOSはアプリの連携、通知センターヴィジェットの追加、サードパーティ製ソフトウェアキーボード、TouchID(指紋認証)のアプリへの解放など、様々な開発者向けの発表がありました。 これだけでもAndroidでしか機能的に実現できない事を理由に開発されなかったアプリをiPhoneに呼び込む事ができます。 今回の発表のなかでも大きなものはSWIFTという新しい開発言語の発表です。 iPhoneは現在まで実質Objective-Cというメジャーではなく、幾分文法の古いプログラミング言語でしか開発が不可能でした。 このSWIFTは独自の規格ですが、現代的なプログラミング言語の要素を持ち、可能な限りシンプルで素早い開発が可能なものです。 このSWIFTの開発は、今回の発表の中でも最大の開発要員と期間をつぎ込まれたものだろうと思われます。 これらはiOSやMac向けアプリに開発者を呼び戻す為のApple社の戦略でしょう。 アプリストアの売り上げは利益としては十分出ていますが、アプリ内課金や、iPhone、Android両対応の商業的な大規模プロジェクトのものしかユーザーに利用されなくなっています。 アプリはiPhoneのユーザーが少なかった頃は、アイデアさえあれば個人でも世界中のユーザーの注目を集める事ができ、マネタイズのできる画期的な仕組みでした。 しかし個人のアイデア一つのものよりも、LINEや、無料提供の作り込まれたゲームなどプラットフォーム的なものを企業がお金をかけて作成し、アプリ内での課金を行う事で収益を上げるモデルがアプリの売り上げの大きな割合を占めるようになりました。 スマートフォンアプリがある意味マスメディアのようになってしまい、かえって多様性がなくなってきた現在、この開発者向けの機能強化がよりiPhoneやiPadの魅力を強化させるための戦略として打ち出されたのでしょう。

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Office for iPadはなぜ国内発売されなかったか

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Office for iPadはなぜ国内発売されなかったか

米国マイクロソフトがiPad用のマイクロソフトオフィス(以下Office)のリリースを行いました。 Office365というOfficeの定額制プランに加入している人はすべての機能を利用できる、ものです。 タブレットで、Windowsタブレット以外のハードへは最初の提供になります。 Officeを普段利用していて、ファイルをiPadでも使いたい、という場合は互換製品の利用が必須でしたが、今回純正品がリリースされた事で、互換アプリはほとんど利用されなくなると考えられます。 ただし、今回リリースされる135カ国の中に日本は含まれておらず、年内対応の予定、とだけ告知されるに留まりました。 なぜ見送られたのか 見送られた最大の要因としてはOffice365がごく一部のビジネスユーザー向けにのみ提供されている、という事がもっとも大きいでしょう。 他の国では個人向けのOffice365も公開されていて、年間$99で5台までのパソコンにインストール可能なHomeや1台だけのPersonalなどいくつかのサービスがあります。 このサービスの一部として提供されたのがOffice for iPadということになります。 Office for iPadのアプリ内課金でOffice365への加入も可能になっているため、Officeのシェア拡大の一環として行われたものとわかります。 日本で個人向けOffice365が提供されないのはなぜか 日本ではこの個人向けOffice365が提供されていないため、今回のOffice for iPadが提供されなかったと考えるのがよいのではないかと考えます。 国内でのOfficeはビジネス用途であればほとんどの割合で、また一般向けのパソコンでもWord、Excelのバンドルは大きな需要があります。 書式を重んじる日本のビジネスのなかで、WordやExcelのファイルは標準フォーマットとして、この十年以上にわたって用いられてきました。 海外の文書は、そこまで書式を固めていない、フリーフォーマットのものであったり、請求書、領収書などでも罫線をほとんど使わないものが多いです。 (Invoiceと請求書で画像検索などをするとわかりやすいです) 書式のスタイル互換性という点において、OpenOfficeやLibreOfficeなどの競合製品はほとんど要件を満たしていないのが現状です。 今後どうなるのか 海外でもOfficeは7割以上のシェアを占めているので、日本だけが依存度が高いという訳ではありませんが、省コスト化するためにLibreOfficeなどを検討しやすい土壌があります。 コスト面の抵抗を取り払い、Officeの市場シェアのを補強するために、Office365は投入されています。 これはAdobeもCreativeCloudなどで用いている方法です。Adobeはもともとクリエイティブ向けアプリ市場では支配力を持っていましたが、一括して購入すれば30万円近いパッケージを月額5000円とする事で、その地盤を確固としたものとする戦略に出ています。 国内のOffice利用状況から考えて、他のオフィススィートへの移行は簡単ではないため、市場シェアの低下に対する補強の意味で低価格化する必要性は、今のところないように考えます。 また現在のフォーマットを固めたOfficeファイルを扱うためには、タブレットは多少の不利があるはずです。タッチパネルはマウスよりはかなりおおざっぱな操作しかできません。 憶測ですが、年内を目処とする旨の発言は、Office365が国内でも展開する予定が年内にあるという事ではないかと考えることも可能です。 すでにアプリの日本語対応はできているので、マイクロソフトの方針次第という事でしょう。