Access ファイル分割(データベース分割)のススメ
Microsoft Accessを長く使っていると、データが多くなるにつれ、ファイルサイズが大きくなる結果、起動が遅くなる、破損しやすくなる、ということが起こります。
また、複数人で同じファイルを同時に扱う場合は、ファイルの破損が頻繁に発生するようになります。
このようなことを避けるため、テーブル部=バックエンドデータベースと、フォーム、クエリ、レポート、マクロ、モジュール部=フロントエンドデータベースを分け、リンクテーブルによりデータを参照するファイル分割(データベース分割)を行う事をお勧めします。
ウィザードを使うことによって、簡単に行う事が出来ます。
Accessデータベースの分割手順
以下の手順に従ってAccessデータベースを分割します
1. データベースのバックアップ
- データベースを分割する前に、現在のデータベースファイルのバックアップを作成します。
2. Accessデータベース分割ウィザードを起動
- 分割したいAccessデータベースを開きます。
- [データベース ツール] タブをクリックします。
- [データの移動] グループの [Access データベース]をクリックします。 データベース 分割ウィザードが起動します。
3. データベースの分割
- データベース分割ウィザードで[データベースの分割] ボタンをクリックします。
- バックエンドデータベースの保存場所と名前を指定し、[分割] をクリックします。
4. リンクテーブルの確認
- フロントエンドデータベースが開き、元のテーブルがリンクテーブルに置き換えられていることを確認します。
- [外部データ] タブ > [リンク テーブル マネージャー] を使用して、リンクテーブルの接続先を確認および更新できます。
運用時の注意点
- リンクテーブルの管理: フロントエンドデータベースからのリンクが切れた場合、リンク テーブル マネージャーを使用して再リンクできます。
- ネットワーク配置: 複数のユーザーによる使用を目的とするならば、バックエンドデータベースはネットワーク上の共有フォルダ等に配置し、複数のユーザーがアクセスできるようにします。フロントエンドデータベースは各ユーザーのローカルコンピュータに配置し、他のユーザーと共用しないものとします。
分割後のメリット
- データの一元管理: バックエンドデータベースが一元的に管理されるため、データの一貫性が保たれます。また、日々データのバックアップを行う際はバックエンドデータベースのみバックアップを行えばよい為、バックアップ処理の速度向上が見込まれます。
- 複数ユーザーの同時アクセス: 複数のユーザーが同時にデータベースにアクセスしても、データの整合性が保たれ、ファイル破損の発生頻度が下がります。
- メンテナンスの簡素化: フロントエンドの変更は、各ユーザーに配布するだけで簡単に反映できます。「使用中のユーザーがいる為リリースできない」ということが無くなります。
まとめ
Accessデータベースの分割は、データの一元管理と複数ユーザー環境での利用を容易にするための有効な方法です。
手順に沿って分割を行い、リンクテーブルの管理に注意すれば、効率的なデータベース運用が可能になります。