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パソコンが故障した際にすぐに復旧可能とするためにバックアップは必要です。
小規模オフィスで10台前後のパソコンがある場合、そのバックアップ先をどうするか、ということについては様々な選択肢があり、NAS(ネットワーク型のハードディスク)などで一元管理をなどを検討される場合も多いと思います。
筆者としてはUSB接続のポータブルハードディスクを台数分購入し、Windowsでの標準のバックアップ(Windows Vista以降に標準搭載)を使用する方法がベストではないかと考えます。
そう考える理由としては、NASの運用はそれなりにコストが必要だからです。
専属のシステム管理者がいらっしゃる場合は、このNASの運用コストなどについてご存知のはずですので、そうではない方向けに書いてみます。
一般に販売されている小規模なNASはRAID1かRAID5など、ハードディスク装置が一台故障した場合でもデータを失わない冗長化という機能を持っています。
このRAIDを実現するために、多くのNASはLinuxをベースにした一つのパソコンの形になっています。
LinuxでRAIDを実現するためにはLinuxのファイルシステムを使う必要があります。ファイルシステムはWindowsではNTFSなどが利用されています。
これらに互換性は一切ありません。Windowsのパソコンにこれらのハードディスクを接続しても認識することはまずできません。
NASの本体に組み込まれたシステムなしにこのハードディスクの中のデータにアクセスすることは簡単なことではありません。
またNASのシステム自体を操作してトラブル対処するためには知識の習得が必要になりますので、コスト低減のためには業者との保守の契約を結ぶの現実的です。
ハードディスク故障時はハードディスクを交換し、そこからリビルドというRAIDの再構築が必要となりますが、このリビルドがうまく行かない場合NAS内のデータを失ってしまう危険性もありますので、障害発生前に手順通りにリビルドが完了するのかをあらかじめテストしておくべきです。
上記の理由からRAIDで構成されたNASにもバックアップは必要になりますので、4TBのNASであるとすれば、それをバックアップする別の4TB以上のストレージが必要になります。
USB接続のポータブルハードディスクの場合、1TBのもので一台¥8,000程度で購入できます。
10台をバックアップする場合は¥80,000必要となりますが、NASを導入することを検討する場合、¥80,000の予算ではかなり限定的なものになります。NASの保守も年単位で保守料が発生しますので、使い続けるには相応のコストが必要です。
NAS本体の金額は容量以上にシステムの堅牢性や、電源など各種構成機器で大きな差がつきますので、安くて容量が多ければお得という考えはある程度のリスクを伴います。
低価格NASは正常に動作しているうちは大丈夫でも、故障発生時により高価なNASと大きな差ができると考えるとわかりやすいです。
業務で使用するパソコンであれば、本体内蔵のハードディスク、バックアップ用のハードディスクの二台が同時に故障しなければよいことになりますので、NASで集中的に管理をするよりも運用は簡単です。
またバックアップのハードディスクへの書き込みが不良となれば、汎用品ですので新たなハードディスクの調達は難しくありません。
本体側ハードディスクの故障時もパソコンのメーカー保守で修理された後に、そこからバックアップを復元すればすぐに復旧します。これらはWindowsの標準機能ですので、複雑な専門知識は必要ありません。
ポータブルHDDを利用するとトータルでは安価になりますが、一元管理ではないので、盗難防止や定期的に実行されているかを確認するなどに注意を払う必要があります。
NASにせよ、個別のバックアップにせよ、業務上のデータを失わないためのバックアップは必要不可欠です。
最も重要なことはデータを失わないこと、業務を止めないことですので、失われる時間や費用を考慮して、よりよい方法を選択されることをお勧めします。