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購読制(サブスクリプション)のソフトウェア販売が広がっています。
購読というのは、新聞などから由来の言葉で、月額など一定の期間分の料金を支払う事によって、ソフトウェアの利用権を購入する方法です。
パッケージ製品はこれまで一括で購入し、ライセンスと記録メディアが箱に入っている、という形がほとんどでした。
購読制ではまずユーザー登録をし、クレジットカード情報などを入力、ユーザー情報でログインして、利用できるようになります。
購読を取りやめれば、そのソフトは利用できなくなります。
Adobe Creative CloudはPhotoshopやIllustratorなど、Adobeのクリエイティブ製品をひとまとめにした製品です。かつてAdobe Creative Suite (Master Collection)として発売されていたパッケージは30万円を超える価格で発売されていました。これが現在購読制に移行し、年間契約であれば、月額5,000で利用する事ができます。Adobeアカウントを作成し、クレジットカード情報を入力する事で、Creative Cloudの全製品を即時ダウンロードする事ができるようになります。
Microsoft Office 2013が購読制になった製品で、現在日本では企業向けの製品が提供されています。
アメリカでは先行してOffice 365 Home Premiumという個人向けのものが提供されており、年間$99.99で5台までの利用が可能となっています。(日本での提供時期は現在明らかにされていません)
Microsoft Office 2013はこの購読制を視野に入れ、アプリ仮想化を取り入れ、WEBサイトからのダウンロードを行いながら実行できる仕組みを取り入れています
ユーザーのメリットとしてあげられるのは、販売店で購入する事なく、オンラインで購入からインストールの手続きをすべて行える事です。
またシリアルナンバーの管理なども不要になりますので、購読アカウントの管理だけをきちんと行っておけば、紛失などの自体も発生しません。
価格面のメリットも大きいです。
たとえば同じソフトを5年間使い続ける、という場合であれば、累積的に高額にもなりますが、バージョンアップにも料金が必要と考えると、使い続けてもコスト的なメリットはあると考えられそうです。
提供元のメリットは、まとめてしまえばコストの削減です。
一つは違法コピー防止にコストをかけなくてすみます。
x台以上の利用は不可というのであれば、複数のパソコンからインストールを行おうとする事をさければすみます。
一つは流通コストが一切不要になります。
これはオンラインですべて行えるので、パッケージや媒体、配送などにかかる費用をすべてなくす事ができます。
そして、おそらく一番大きいのは、古いバージョンのバージョンアップを維持しなくても良いということです。
発売の終了した古いバージョンから、新たに売り上げはしませんが、サポートについては継続して人員を当てる必要があります。
購読制ソフトは、バージョンアップ費用不要で、常に最新バージョンが利用できることを売りにしており、先ほどの例の中ではAdobeはバージョン番号を廃止しました。
購読者に対し、常に最新バージョンの利用を促す事ができることが、購読制のメリットになるでしょう。
ソフトの種類によって、購読制がマッチする場合と、マッチしない場合の差は、大きく出てくると考えます。
ユーザー総数が多いものほど、購読制に移行するメリットは大きいのではないでしょうか。
Sales ForceやGoogle Appsなど、インストール不要のWEBアプリが豊富な機能を持つ現在、インストール型のアプリが早いサイクルの更新についていけないのでは、競争力を失うきっかけになりかねません。
AdobeもMicrosoftも、購読制サービスをきっかけとして、スマートフォンやタブレットへの対応を一気に広げています。
Windowsにだけ対応していれば良かったソフトを、スマートフォンなどに対応させるには大きな開発コストがかかります。
コスト面での弱点を削いで、市場でのシェアを獲得していくために大きな転換点が訪れているといえます。