第4世代Coreシリーズを見据えたノートパソコン購入計画

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第4世代Core iシリーズ搭載PCの発売を間近に控え、ノートパソコン購入をどう考えればよいか、ということについて書いてみます。

いま買いか、否か

新機種、夏モデルの発売を控えた今、待てるのであれば、待った方がよいというのは、おそらく誰の意見としても一致するところでしょう。

しかし誰しもそうであるとは言い切れません。なによりいま必要である人が買い控えを行うべきかどうか、第4世代Core iプロセッサーが登場以降の移り変わりも予想しながら、考えてみたいと思います。

第4世代Core iシリーズとは何か

第4世代Core iシリーズは、開発コードHaswell(ハズウェル、ハスウェル)と呼ばれ開発がすすめられてきました。現在量産ラインに乗せられ、各メーカーへの出荷が進められています。

内蔵グラフィックス機能の強化と、処理速度の向上、そして省電力化が強化される、と言われています。

処理速度が向上するのは、CPUが世代が変わるたびに、必ず行われることです。世代が変わるたび、一、二割からの処理向上が見られます。

内蔵グラフィックス性能の強化は、Intelとしても最重要課題となっています。ディスクリートGPUといわれる、単体のnVIDIAやAMD製のグラフィックス用チップ製品から、Intelの内蔵グラフィックスはまだまだ遅れを取っています。

グラフィックス性能は直接的には、ゲームなどの画面描画に直接影響を与えますが、現在CPUよりも高速にデータを一括計算できる性能を活かして、さまざまなソフトウェアにグラフィックス性能は生かされてきています。

高解像度化への流れ

MacBook Pro Retinaディスプレイの衝撃

Appleが高解像度のRetinaディスプレイ搭載のMacBook Proを発表したことは、パソコン業界に大きな影響を与えました。

ノートパソコンの高解像度としては、13インチでフルHD(1,920×1,080ピクセル)が高解像度とされていた中で、13インチで2,560×1,600ピクセル、15インチで2,880×1,800ピクセルの高解像度の液晶ディスプレイを搭載しました。

Appleは最先端の技術を惜しみなく投入すると思われがちですが、Appleは高性能と引き換えに調達価格も高い部品を選び、全体的な利益率を下げるということはほとんど選ばない、堅実な企業です。

Apple製ソフトウェアのアイコン画像などが、かなりの高解像度で作りこまれていることがユーザーの解析によって発見され、ノート型製品にRetinaディスプレイ搭載の準備がされていることが明らかになりましたが、実際にRetinaディスプレイを製品を投入してくるまでに、少なくとも一年以上の時間をおいています。

Appleはソフトウェアの基盤を整えつつ、最新のハードウェア技術が量産効果などによって十分安価になるタイミングで投入するタイミングが上手い、といったところが他社との差となって表れてきていると考えます。

Windowsはマイクロソフト社と各PCメーカーが歩調を合わせないと、新技術の投入がうまくいかないため、まずマイクロソフト側から次期Windowsはこういう機能を強化します、という発表を行ってから、メーカーが設計などを始めるという流れになります。

高解像度化への流れ

この流れを受けて、この夏以降、ノート型パソコンに高解像度化の波が到来すると予想されます。

PCメーカーとしては、スペック競争によって他社との差別化を計りたいところです。

そのため、他社よりも見劣りした性能で新製品を出しても、注目される機会を失ってしまいます。

高解像度液晶はかなりコストが低下してきており、これを積極的に採用するメーカーが増えるものと思われます。

GoogleがChromeBook Pixelを発売し、東芝もDynaBook KIRAを発売しています。

一時期のネットブックブームのように、高解像度液晶ブームが一気に訪れるかもしれません。

高解像度化のメリット

高解像度液晶は、一番は写真や動画、DTPなどクリエイティブな用途に効果を発揮します。

一千万画素をはるかに超えるデジタルカメラの画像など、縮小させてしまうと見えなくなってしまう細かな部分も画面で確認しやすくなります。

また文字なども高精細で表示されることで、よみやすく、より紙の印刷に近い表現となります。

ただ、高密度さを全て表示のために使ってしまい、あまりに多くの情報が一度に目に飛び込んでくると、人間が認識できる能力を超えてしまいます。解像度が広がった分、多くの情報を表示できるようになる、とは言えません。

エクセルでそのすべての表示領域に、数値などが埋め尽くされているところを想像すると筆者としては使いづらく思いますが、ワードやパワーポイントの表示がかくかくした文字でなく、プリンタに近くきれいに表示されているのであれば、使いやすく感じるだろうといった差があります。

グラフィックス性能の向上は高解像度のため?

Intelの内蔵グラフィックス性能の向上は、この高解像度化と歩調を合わせたものと考えることもできそうです。

画面の領域が広がると、それだけグラフィックスや、メモリの読み書き性能の向上が必要となってきます。

しかし計算能力が多く必要ということになると、それだけプロセッサーの電力消費も多くなります。

IGZO液晶など、液晶ディスプレイが高度化して、液晶自体の電力消費量が下がっても、コンピュータ全体としての消費電力を下げることができるとは一概には言えません。

そのため、高解像度が必要のない従来の使い方が適している人にとっては、高解像度化が必ずしも恩恵となるわけではありません。

必要ない高解像度が、バッテリの消耗を早くすることが、デメリットになる方もいるはずです。

低電力化の流れ

Intelにとって、メインストリームCPU製品の低電力化は、大きな柱となっています。

CPU単体のパフォーマンスとして申し分なく、さまざまな分野で採用されるIntelのプロセッサーですが、モバイル分野では大きなシェアを持っていません。

スマートフォンなどで採用され続けているARM系のプロセッサとは内容も違いますが、ARM系プロセッサは低電力性を保ちつつ、性能を伸ばしている中で、Intelもいかにハイパフォーマンスを維持した中で、電力消費量を抑えていくか、という課題を常に持っています。

Intelのプロセッサは、現在でもかなり精細な電力管理を行っていて、人が操作を行っていないタイミングなどでパフォーマンス低下を感じさせない範囲で処理能力を落として、消費電力を低下させています。

特に持出し用のノートパソコンは、一般的に重い処理とよばれる、完了までに長時間かかる処理を行わない使い方が一般的ですので、動画などを見ている場合を除いて、人間の操作を待つ間の時間は、プロセッサは省電力モードに移行しています。

第4世代Core iプロセッサーはこの省電力をさらに推し進めています。

WindowsVista以降では、スリープから一定時間がたつと、ハイバネーションといわれるメモリの状況をハードディスクやSSDに書き出すハイブリッド式のスリープに移行しています。

ハイバネーションは書き出した内容をメモリに戻す必要があるため、復帰までに時間がかかりますが、第4世代Core iシリーズの待機時の電力消費量は1/30となるといわれており、スリープからハイバネーションに移行するまでの時間を長くとることもできるようになりそうです。

これらのことから、バッテリ容量が同じであっても、第4世代Core iシリーズ搭載パソコンがバッテリー持続時間が数割以上長く感じるということも予測できます。

タイプ別購入計画

ハイエンド指向の方

すぐにパソコンを調達する必要がなく、ハイエンド志向、できるだけ長く現役で使える方が費用対効果がよい、と考える人は、第4世代Core iプロセッサ搭載パソコンの登場を待つべきでしょう。

いつ待つの、今でしょ、というタイミングです。

ひと月前後で手に入るようになる、新しい世代のプロセッサを搭載したばかりのパソコンの価値を、十分感じることができるはずです。

高解像度ディスプレイが必要、あるいは、試してみたいという方も、しばらく待機して、高解像度ディスプレイモデルの選択肢が広がるのを待つとよいのではないかと考えます。

解像度の数値以上の、使用感覚の差にの驚きを感じることができるでしょう。

グラフィック性能の向上については、ハイエンドパソコンの場合、内蔵グラフィックス以外に専用チップを搭載する可能性も高いので、必ずしも内蔵グラフィックス性能の向上が直接能力の向上につながるとは限りません。

普及型指向の方

コストパフォーマンス重視で、性能競争にあまり関心がない方、タッチパネル不要な方、またはあまり高解像度を必要としない方は、現行の第3世代Core iプロセッサ搭載のパソコンでも十分な性能を持っています。

タッチパネルや高解像度液晶は使用感に差を与えますが、比較的保守的な用途で使う場合、必要のない人にはほとんど必要のない、いわば贅沢のような機能になります。

Windows8パソコンであっても、従来的な使い方をすれば、タッチパネルはあまり必要はありません。

Core 2 Duo以前のPCからの買い替えであれば、価格以上のパフォーマンスの向上を十分体感できるでしょう。

第2世代Core iプロセッサ型を所有の方も、USB3.0などの恩恵があり、ハードディスクをUSB接続で普段から使っている人であれば、恩恵はかなりあるといえます。

普及型志向の方は、それほど短いサイクルで買い替えはしないという感覚ですが、第4世代Core iプロセッサが登場した直後の、現行機種在庫品の値下がりを期待するのも、悪くはない考えかもしれません。

低価格指向の方

最近は低価格ラインナップのパソコンも、かなり高性能になってきており、費用対効果はかつてのCeleronなどのイメージからは変化してきています。

Celeronなどの低価格ラインナップのプロセッサは、一つ前の世代のものをもとにしていますので、現行の入れ替えの時期とはまた違ったタイミングになります。

第4世代Core iプロセッサをもととした低価格ラインナップのプロセッサは、通常半年以上先の出荷となりますので、このタイミングで買い控えを行う意味合いはありません。

第3世代Core iプロセッサをベースにしたCeleronはすでに発表されていますので、型番を調べて、機種を選ぶ時のポイントにするとよさそうです。Pentium 2129YやCeleron 1019Yが第3世代Core iシリーズがベースの低価格CPUとなるようです。

ゲームなどをしないのであれば、日常使いで不便を感じることはどんどん少なくなっているはずです。

まとめ

必要な方には、必要なタイミングというものがありますから、新商品の登場を必ずしも待つ必要というのはありません。

今回の記事が、これからどのタイミングでノートパソコンなどを選ぶとよいかということを、考える一つの材料になれば幸いです。

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