和歌山のプログラミング・システム開発ならシステムキューブ
Amazon社による、電子書籍ストアKindleストアのオープンと、電子書籍リーダーKindleシリーズの国内販売が開始されました。
電子ペーパーを利用したKindlePaperwhiteと、液晶ディスプレイを備えた多機能タブレットKindleFireとKindleFireHDというラインナップをそろえてきました。
KindlePaperwhiteはE-Inkスクリーンを使用しており、見た目としても最も紙に近いイメージです。また電力消費もページを送った場合のみで、数週間の利用に耐えます。筆者は出張途中の飛行機でこれの旧機種をみましたが、手軽さと読みよさで、現在電子書籍リーダーの中ではベストなものであるだろうと思います。
Kindleストアは日本語書籍も5万冊からのスタートとなり、小説、実用書、コミックなどさまざまなラインナップをそろえています。
価格的には、紙の書籍よりも一割程度安くなっているものもあり、商品画面で値引き額もわかるようになっています。
また、iPhone、iPad、AndroidでKindleで購入した書籍を読むこともできるアプリもリリースとなっています。
Amazonは徹底した小売りの会社です。書籍、CD、DVDの販売から開始し、現在では食品、家電などあらゆるものを販売しています。
そんな中で電子書籍は流通コストゼロで、在庫も持つ必要がなく、実際のところ、紙の本よりもこちらが売れてくれるほうが、Amazonとしてもメリットがあるのでしょう。
そのため電子ブックリーダーKindleシリーズは、同性能の機種と比べても、かなりお買い得な価格となっています。
今後Kindleプラットフォームが普及することによって、Amazonとしても版元に対して有利な交渉ができるようになり、電子書籍の間でも市場シェアを伸ばしていくことができるようになるのかもしれません。
版元としては、一度電子書籍の原版となるデータを作成すれば、あとはどこの電子書籍ストアに対してもほぼ同じような形式で販売することができるようになります。
現在出版社はコンピュータで製版しているので、これを電子データにすることは、特に難しいことはありません。
ただ収益の構造が変化していくことだけは確かで、出版社ー取次ー書店という関係がどうなっていくのか。実際に電子書籍ストアは書店が運営しているものも多いです。
また出版社を通さない新たな電子書籍の登場も、今後考えられうることで、そうなった際に出版社はどう生き残りをかけて、どのような動きを見せるのか。
米国では2007年にkindleが発表され、電子書籍が普及してきており、2011年からは紙の書籍以上の売り上げを見せるようになっています。
現在他社タブレット端末も含めれば、全世界で一億台以上のリーダーが存在する電子書籍市場で、読者と本との関係はどのように変化していくのでしょうか。
ようやく日本でも、その変化のきっかけが訪れたのかもしれません。