DropboxとシャドーIT
Dropboxが新機能としてドメイン認証とユーザー移行という機能を準備中です。
Dropboxはオンラインストレージとして使いやすく、2010年前後から利用が増えています。
メールや宅ファイル便などを使わずにある程度大きいファイルの受け渡しにオンラインストレージは最適です。
URLで共有するだけでブラウザからダウンロードできる利便性があり、またURLはファイル任意のIDで推測されないようになっているため他のユーザーに知らない間に見られることがほとんど起こりえません。
ただこれを企業で契約するのではなく、個人ユーザー契約で業務などに利用されている場合もあります。
このような私的なサービス導入などは漏えいなどのリスクにもなります。
これはシャドーITと呼ばれており、情報資産の管理外で利用されるシステム運用です。
これを一括で企業契約の中に移行させてしまうのが、ドメイン認証とユーザー移行です。
会社のメールアドレスで個人利用されているDropboxを企業で契約したDropboxに移行させてしまう方法です。
ドメインの所有権をDropboxに対してHTMLファイルのアップロードやDNSのTXTレコードへの追加で示し、その後ユーザー移行を選択します。
シャドーITがあるということは、単に従業員が抜け道を作っているのではなく、現場で解決すべき問題があるということを示す側面があります。
従来型の非効率な方法で業務全体の効率性を下げてしまう、ということは起こりえます。
例えば業務用のドキュメントをメールのやり取りを追わないと最新版が取れないという状態であると、メールチェックの漏れがあると複数のバージョンのドキュメントが混合してしまう可能性があります。
Dropboxで共有すれば、同じファイルをそれぞれで編集し最新版を同時に共有することができます。
新しいサービスをブロックし古く非効率な方法を貫くより、企業として有用なサービスを前向きに導入することによって管理外のリスクを低減させることも今後の潮流となるのではないかと考えています。