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WindowsXPからのAccess移行の注意点(文字編)

ACCESS2013

WindowsXPで運用しているAccessデータベースをWindowsVista以降に移行する際の注意点をまとめます。

Windowsの字形変更についての内容になります。

Accessの移行

WindowsXPでAccess2003以前のバージョンを利用されている場合、OS、Accessともサポートが2014年に切れてしまいますので、できるだけ早期に切り換えを検討するべき時期になっています。

とくにデータベースは顧客情報など、企業として重要なデータを扱うため、これがセキュリティーの脆弱性を持つシステムで動作させ続けるのは避けておきたいことです。

今からであれば、Windows7とAccess2010あるいはAccess2013を利用するのが最も移行しやすい構成になるでしょう。

その際、データベースを移行することになりますが、それまでのAccessデータベースが問題なく動作した場合も、次のポイントについて調べておくことが必要です。

Accessでの事例(ダイレクトメール)

Accessで顧客データを管理し、定期的にダイレクトメールなどのお知らせメールを送付する場合を想定します。

スクリーンショット 2013-09-20 17.54.03

例としてこのようなデータを作成しました。

スクリーンショット 2013-09-20 17.54.37

このようなレポートをタックラベルなどに出力して、DMの宛名として貼り付ける場合を想定します。

この場合、一見問題なく印字されるように見えますが、WindowsXPとWindowsVista以降ではフォントの字体変更があります。

一般にJIS90からJIS2004と呼ばれる文字のセットにMSゴシック、MS明朝、メイリオが変更されています。

ですのでレポートにMSゴシック、MS明朝を利用していると、この字体変更の影響を受けます。

スクリーンショット 2013-09-20 17.56.19スクリーンショット 2013-09-20 17.57.22

見えにくいかもしれませんが左側がJIS2004字形、右側がJIS90字形です。

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わかりやすく表示すると、このような差があります。

このような文字が合計168あり、人名に利用されている漢字はあまり多くはありませんが、特に上記の四つは利用頻度も高いと考えられます。

ですので、今まで通りの宛名印字を行ったとしても、違った字形で印字することになり、誤った表記のダイレクトメールが届いた、などといった問題になる可能性があります。

参考リンク

http://www.adobe.com/jp/support/winvista/pdfs/JIS2004_Comparison.pdf

対処法

Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7 および Windows Server 2008 R2 で旧 JIS90 文字セットを使用する方法

http://support.microsoft.com/kb/927490/ja

上記リンクからWindowsXPと同字形のMSゴシックとMS明朝がダウンロードできます。

これはMSゴシックとMS明朝を置き換えるものなので、このフォントをインストールしていないWindowsVista以降のパソコンとは、すべてのアプリケーションで表示と印字が変わることになります。

AccessをインストールしているPCで、そのAccessデータベースがそれまでと同じ動作をすることを望まれる場合は、これが最適な方法です。

 

多少のフォントが変更されてもよい場合は、Officeに付属するHGゴシック、HG明朝シリーズが、これらJIS90に準拠したフォントとなっています。

レポートのテキストボックスのフォントをこれらに置き換えることも一つの方法です。システムのフォントは置き換わることはありません。

HGゴシックがデータベースで利用されている、すべての文字を抑えているかどうかは検証する必要があります。

 

このJIS90とJIS2004の字形はAccessの中で共存することはできないので、注意が必要です。