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スマートフォンどれを選ぶか

スマートフォンをめぐる一番大きな話題を、筆者による独自の観点から考えてみます。

スマートフォン、シェアが急進するAndroidと、話題の中心にあるiPhone。

どちらを選ぶか、どの機種を選ぶか、という話題がスマートフォンを語る上で大きな要素になっています。

これには正解はないことはあらかじめ結論を出しておきながら、いくつか考えるべきことをまとめてみます。

スマートフォンの現状

スマートフォン普及の最大の原因はすべての人がスマートフォンの、スマートフォンとしての機能を求めているわけでないのですが、とにかく手に入りやすい、端的に言って、初期投資があまりにも安い、ということが切っ掛けとなるでしょう。

携帯キャリアは新いスマートフォンを出して、契約の増加と、スマートフォン販売台数とシェアの増加を、経営上最大の指針としています。

そのため、販売奨励金も潤沢に出るので、高校生でも、毎月通信料金だけ払えば、初期投資ゼロでスマートフォンを所持することができます。

初期投資ゼロで手に入ったスマートフォンは、携帯ゲーム機にもなりますし、音楽プレイヤーにもなります。

ですからほかに携帯ゲーム機や、音楽プレイヤーを購入する必要はありません。

ここで重要なのは、お金がかからない、ということです。

ゲームもソーシャルゲームで、手に入れるには無償、アプリ内科金を行わなければ無償でプレイできます。

音楽は自分の持っているCDであれば、そのままアルバムを何十枚かをコピーすることができます。

LINEなどの無料通話アプリを使えば、メッセージングや、音声通話は定額通信料金内で行うことができます。

OS選び

どっちのiOSとAndroid、どちらのOSが優れているのか、という話題になるとき、多くの場合、標準インストールのアプリケーションのできの良さ、というところにたどり着いてしまいがちです。

それはOSの話ではなく、アプリケーションの話題です。

たとえばiOS6になった際に標準の地図アプリがだめだ、ということはOSの話ではなく、アプリケーションの話題です。

Webブラウザも、アプリケーションです。

AndroidとiPhoneと比較するとき、アドレス帳、カレンダー、リマインダー、メールなど、かつてのPDAとして標準のアプリケーションの使いやすさ、というところが重要視されてしまいます。

OSとは本来「基本ソフトウェア」と呼ばれるもので、アプリケーションを動かすためのプラットフォームです。

OSの使いやすさ、という部分は本来シェルと呼ばれる部分までのお話であるべきです。

OSとアプリ

OSはアプリケーションのために、そのハードウェアとの橋渡しをする仕組みを提供するために存在しています。

OSはOSそれ自体を動作させるためにあるのではなく、アプリケーションをユーザーに提供するためにあります。

何もかも、通信費以外、無料でなくてはならない、という考えの方は、多くいらっしゃいます。

スマートフォンを語るとき、結局は付属のアプリケーションの出来、というところに落ち着くのはこれが原因です。

アプリの出来、不出来、操作性というのは、自ら選んだアプリケーションで、幾らでも変更できます。

iOSであればiCloud、AndroidであればGoogleサービス以外の、気に入った他のサービスとの連携を選ぶことも、アプリ次第です。

ソーシャルゲームや無料通話アプリなどは、利用者が多ければ多いほど、課金ユーザーの絶対数が増えるので、どちらにも対応しています。

ですので、いまアプリにお金をかけたくない、という前提であれば、どちらを選んでも、ユーザーの体験にほとんど差はありません。

たとえばWindowsとMacの優劣を、付属のチェスゲームの強弱で決定するような状態が、ずっと続いている、という感覚をもっています。

アプリ選び

スマートフォンのアプリは、従来までのソフトウェアの概念を覆すほどに、安価です。

これは最初からユーザー規模の大きくなることが予測されていましたので、パソコンなどのソフトウェアと収益のモデルが違います。

そのアプリケーションがたとえ200円、600円でも1200円で、そのスマートフォンの価値を全く変えてしまうようなアプリもたくさんあります。

たった一枚のCD、一つの映画や本との出会いで、物の見方や、楽しみが増えるのとよく似ています。

そこにたどり着くまでに、情報収集も必要ですし、合わない有料アプリや、全く使わなくなるアプリも多くあるでしょう。

それでもスマートフォンという小型のコンピュータを手にしている最も有益な部分は、アプリの選択ができるということです。

できることが決まり切っていない、アプリ次第で可能性が広がるということが、何よりも大きいスマートフォンの価値なのです。

カレンダー、地図、カメラ、無料通話、ソーシャルゲーム、とあまりにも型にはまった使い方であれば、かつての二つ折りのフィーチャーフォンでも十分その役目は果たせていたのです。

アプリを育てる

アプリは、Appleにとっても、Googleにとっても、原資のかからない、優良な商品です。

音楽や映画、書籍であれば、販売数に応じて配信元に支払う以外にも、配信元との契約も力関係もあります。

アプリは、開発者側が有償または無償で開発契約を行い、売れた分だけ成果が支払われる、という、アプリマーケット提供側にはリスクがなく、メリットだけがある商品になります。

ただこれが、無償のアプリ、あるいはアプリ内科金を行うアプリばかりが独占してしまうと、一つの新しいアイデアで、スマートフォンの価値を強化するようなアプリが登場しにくくなります。

WindowsでもMSOfficeに匹敵する使いやすさのOfficeスイートがほかにないのは、MSOfficeがWindowsパソコンにプリインストールされ続けたためです。

独占的な状況を、一つのアイデアで切り開くのは無理があります。

もはや個人向けのアプリよりも、スマートフォンやタブレットの業務利用を前提とした、企業用アプリケーションへ、開発力の主体は移っている感覚があります。

ですので、個人向けコンピュータとしてのスマートフォンを活かすには、まずアプリを購入しましょう。

そしてそのアプリがよければ、無理強いしない範囲で、友人に勧めてみましょう。

アプリとアプリの市場を育てることが、とても大事なことになります。

そのうえで、機器の表記上のスペックでもなく、付属アプリの出来の良さでもなく、このアプリが使いやすいから、このOSを選んだ、という話題が増えれ
ば、さらにスマートフォンの良さが広く認知されるようになると考えています。