Boot Campの最適な移行方法
MacのBoot Campから他のMacやPCへデータなどを移行する方法について、何パターンかをまとめてみたいと思います。
Boot CampはIntel Mac上でWindowsを実行するためのユーティリティです。
Macのパーティーションを分けることになるので、使っているうちに容量が不足となったり、あたらしいMacにそのまま移行したい、というケースは多くなってきていると思います。
Boot Camp領域をどうやって他のMacやPCに移行するのかという点は、簡単なようでいて、意外と難しいです。
MacOSの管理する領域はTimeMachineバックアップでバックアップし、新しいMacへ簡単に移行することができます。
その際もBoot Camp領域はバックアップに含まれませんので復元されません。
押さえておくべきポイントをまとめてみたいと思います。
Windows移行ツールを利用する
この記事でも書きましたが、一番手堅い方法です。
手順としては、以下の通りになるはずです。
1.移行元Boot CampでWindows転送ツールを起動し、USBハードドライブに移行データを保存します。
2.移行先環境を整えます。OSをセットアップし、必要なアプリケーションをインストールします。
これはBoot Campでもいいですし、Windowsパソコンでも構いません。
3.移行先環境で、Windows転送ツールを起動し、USBハードドライブからデータを転送します。
以上の操作を行い、必要なアプリケーションの動作や、ファイルの転送漏れがないかを確認します。
(3/11追加)
Boot Camp領域の移行、Windows移行ツールの補足
Windows移行ツールがうまくいかない場合は、上記の記事を参考にしてみてください。
VMWareによる仮想化を行う
こちらの記事に、詳しい手順を書いています。
仮想化のメリットは、Boot Campのように再起動する必要がないことで、シームレスにWindowsとMacの環境を行き来できることでしょう。
仮想化ソフトウェアのための費用が掛かることと、Windowsの仮想化に関するライセンスについては確認する必要があります。
ゲーム等ハードウェア性能に依存するものには仮想化は向いていません。互換性の問題は一番注意すべきポイントです。
移行前の環境をアプリごと移行できるので、作業量としては最も少なくすることができる方法です。
WinCloneを用いる
筆者は実際に試していないのですが、Boot Camp領域からBoot Camp領域へ、Windowsのシステムイメージを移行するためのMacのアプリケーションです。
Boot Camp領域を拡張する際などにも用いられ、頻繁にBoot Campを利用するユーザーには必携といえるツールのようです。
実例が多くWeb上に見ることができます。
バックアップにも用いられているようですので、かなり有益なツールと言えそうです。
失敗した例
Windowsの「バックアップと復元」で取得したシステムイメージを復元するのは大変難しいです。
バックアップと復元では、システムイメージを仮想ハードディスクの形式で保存しますが、環境に依存した部分もそのままコピーしますので、まったく別の環境上で復元するのは簡単なことではありません。
Boot CampはWindowsパソコンでパーティーションを分割して、マルチブートするものとはかなり違ったものと考えておくべきです。
Boot CampからBoot Camp上のWindowsにバックアップと復元で取得したシステムイメージを復元することはできません。
Windowsのインストールディスクを入れて、確保したBoot Camp領域にシステムイメージを復元することもできませんでした。
また仮想化ソフトウェアではBoot Campの特殊なパーティーションをイメージのままで扱うことができません。
VMwareやHyper-V上で作成した仮想マシンに、バックアップと復元で取得した仮想ハードディスクを、起動ディスクとしてマウントしても、起動には至りませんでした。
Norton Ghostを利用したイメージのバックアップと復元も、Boot Camp領域ではうまくいきませんでした。
仮想ハードディスクとして、既存のPCあるいは仮想マシンにアタッチする方法ではデータの取り出しはできるかもしれませんが、それではイメージ化する意味は、あまりありません。
バックアップと復元で取得できるデータファイルのバックアップは、ユーザーデータのバックアップのために定期的に取得しておくことは有益でしょう。
まとめ
もっとも手堅い方法で、Windows移行ツールを利用するのが、ベストと考えます。
費用も別途かかるものではありませんし、インストールするアプリケーションの整理も同時にできるのだと考えれば、環境構築に少しの時間を割くのも、無駄ではありません。
仮想マシン化は、メモリが多めに搭載されているコンピュータであれば、十分実用に耐えます。
注意が必要なのは使用しているアプリケーションの互換性です。
WinCloneは体験版があればぜひ試してみたいとは思います。
その他、失敗例として挙げた方法でも、移行する手立てはあるように思いますが、複雑な手順となりそうですので、深く追求しませんでした。
このような例が、今後Boot Campを使っていくうえで、なにかの助けとなればうれしいです。