Outlook.comの不可解な点
マイクロソフトがWindows Live Hotmailの後継として正式リリースしたOutlook.comですが、ベータ提供時から使ってみました。
webメールとして最新のユーザー体験をもたらすということについて、成功しているとは思いますが、開発方針がよくわからない部分がありますので、私見ですが書いてみたいと思います。
Outlook.comの良い点
Outlook.comは、GoogleのGmail対抗サービスとして、フリーメールのシェア拡大するために、Hotmailから大幅なリニューアルが行われました。
上記は差出人欄に、マウスカーソルを乗せた状態、コンピュータ用語ではHoverで表示されるメニューです。
これは同じくメールにマウスカーソルを乗せると、未開封にするアイコンと、ごみ箱のアイコンが表示されます。
これはメールを右クリックしたときにでるメニューです。
Googleなどでは、メールを個別にチェックボックスで選択したうえで、表示されるボタンをクリックすることで操作できることが、ボタンをクリックせずにサクサクと使用できます。
Webアプリケーションでここまで充実したインターフェイスを実現した点は素晴らしいところで、Gmailを置き換える、よりモダンなwebメールとして成り立っていると考えます。
マイクロソフトは何を目指しているのか
しかしこれはすべて間違いと感じます。
タッチパネルでは、マウスカーソルをホバーさせることも、右クリックすることもできません。
Windows8はタブレットPCとして売り出したはずです。タッチ操作だけでもユーザーを満足させるために開発されたものと認識しています。
このWebアプリのOutlook.comをマウスで使用した後では、Windows8の標準メールアプリがあまりにも機能不足で、チープに感じてしまいます。
結局LiveMailをデスクトップ画面で使うしかないのでしょうか。
Windows8のインターネットエクスプローラーでOutlook.comを使う際は、タッチパネルから手を放して、マウスでの旧来の操作に戻らないとストレスを感じます。
iPadなどでOutlook.comをブラウザで開いた場合は、スマートフォン用のような簡易なインターフェイスとなり、このような様々な機能に到達するのはさらに難しいです。
マイクロソフトによく考えてほしい点
従来型のPCの利用するユーザーに対して、ユーザー体験が損なわれるようなことをあえて行う必要はありません。
しかしタブレット、タッチ操作を前面に押し出したWindows8を主力商品として売り出していく以上は、そういった新しいユーザー体験の向上をまずは目指していくべきではないでしょうか。
マウスからタッチパネルへの操作体系の移行は、誰にとっても簡単なものではありません。
ユーザーにとっても、このまま慣れ親しんだマウスとキーボードを主としたコンピュータにとどまるべきか、割り切ってタブレットを利用すべきかということを悩んでいる時期ともいえます。
そこでタッチ操作を前面に押し出し、Windows8では、従来のコンピュータの操作を、ここまで気持ちよく快適に行える、というものを提供すべき時期ではなかったのかと考えます。
GmailからWebメールのシェアを奪いたいばかりに、Windows8の魅力をあえてスポイルするようなリリースをする理由が筆者にはよくわかりません。
筆者がWindows8ユーザーでOutlook.comのメールアドレスを気持ちよく使いたいのであれば、ブラウザで表示させたものをマウスで使って、タッチパネルには一切触れることはないと言い切れます。
それとともに、Windows8標準のメールアプリも不要になるので、スタート画面からピン留めを外してしまうでしょう。
せめてWindows8の評価が固まるまでは、ぶれないでいてもらいたいと思うのはユーザーのわがままでしょうか。